研究員によるフォトブログ

2010年7月記事一覧

NO.114 気になるう~っ

2010年07月30日

岸本 真弓  4月、京都で恒例のシカ糞塊密度調査を行った。10年以上続く調査。慣れた道だが毎年新鮮な思いで歩く山。  しかし、今年は気が散る。気になる、気になるのだ。リョウブの皮剥が、ヤブツバキの角研ぎが、イヌツゲの矮性化が、ツツジの枯死が・・・ いや、もちろん去年までだってわかっていた。だが、今年3月四国でシカの植生への影響を調査するためにそればかりに注目してからまだ1ヶ月もたっていない。その目が抜けない。  しかし、今は糞の調査。集中、集中、糞にしゅーちゅーっ! 20100730_kininaru.jpg

「NO.114 気になるう~っ」の続きを読む>>

NO.113 天上のサル

2010年07月26日

横山 典子 ダケカンバとハイマツ群生する標高2700mの亜高山帯でサルに会った(写真中央より少し右の岩の上にいます)。 ハイマツの実を食べに来たようだ。 周辺からステレオのようにポリポリ食べる音がする。 いつも見る下界のサルよりも少しだけたくましい気がした。 20100726_tennjounosaru.jpg

「NO.113 天上のサル」の続きを読む>>

NO.112 モズのはやにえ

2010年07月23日

川村 輝   11月末、サルの捕獲で群れが近づくのを待っていたらモズが何やらくわえてやって来た。  もしかして…とはやる気持ちを抑えて息をひそめて待っていると近くの小枝に止まってキョロキョロ。どこにしようか思案している様子(お?やるか?やるか?)。  その瞬間は一瞬だった。なんのためらいもなくサクッと小枝に刺して飛び去って行った。 図鑑ではいろんなバージョンが紹介されているが刺す瞬間を見たのは始めてだった。  モズが去ってから写真を撮りに近づくと、あぁ…哀れ、獲物のバッタはまだ息があるようで動いていた。 忘れずにち…

「NO.112 モズのはやにえ」の続きを読む>>

NO.111 燕岳

2010年07月20日

山田 雄作  燕岳は長野県に位置する、標高2,763mの山です。  登山口の中房温泉(標高1462m)から燕岳山頂までは約1300mの標高差がありますが、地元の中学生たちは学校登山で登るそうです。 ゆっくりと登り約4時間半ほどで山頂付近にある燕山荘へ到着、梅雨時期で前日までは降水確率70%でしたが、朝から天候に恵まれました。  燕岳は花崗岩からなり、花崗岩の白さが晴天の青とハイマツの緑ととてもきれいな景色を見せてくれました。 20100720_tubakuro.jpg

「NO.111 燕岳」の続きを読む>>

NO.110 倒木だらけ

2010年07月16日

姜 兆文  倒木、倒木!また倒木!!今年は倒木だらけだ。奥多摩地域のニホンジカ(以下シカとする)を調査するため、2005年から6年間連続で毎年11月末と5月上旬に2回、登った。今年、特に沢沿いの斜面は写真で示したように倒木が多く、山の状況が急変していることに驚いた。もちろんいままでも心配はしていた。  昨年の冬期には特に異常気象も発生していないのに、なぜ倒木が多数発生したのだろうか。やはり、これはシカの個体数の増加に伴い、シカが下層植生を採食することにより森林生態系に対して悪影響を及ぼしていることと深い関わりのある…

「NO.110 倒木だらけ」の続きを読む>>

NO.109 湿度100%

2010年07月12日

岸本 真弓  シカとシカによる植物の影響を調査するため大台ヶ原に通うようになった、6月のある日のこと。霧に覆われた尾根を登り、日出が岳を目指す。頂上間近で霧が晴れ、振り返ると雲の壁があった。北側斜面を昇ってきた雲が尾根を舐めるではなく、そのままの勢いで真上に数十メートル伸び上がっている(写真1)。大台ヶ原は日本で有数の多雨地域。四方からの湿った空気を吸っている。  その4日後大台ヶ原から東に下った海岸近くの山裾に、シカに装着したGPSテレメを脱落させに出かけた。無事脱落に成功し、発見したGPSテレメの遠景の写真を撮…

「NO.109 湿度100%」の続きを読む>>

NO.108 山の恵み

2010年07月05日

横山 典子 テントと食料を抱えて2泊3日で植生調査をするという少々きつい仕事だった。 足も思うように前に進まず、気力だけで前に進む。 のどは渇いていたが、食事で使うことを考えると好きなだけ水を飲むというわけにもいかない。 調査を一箇所終える度に、お風呂と気持ちいいお布団に近づくのだ、と言い聞かせながら、我慢して一歩一歩前進する。 何とかその日最後の調査地に着いた時、道の脇に光り輝く緑色したものを見つけた。 サルナシだ! しかも、大豊作! がんばったご褒美かもしれない! いやぁ~生き返りました。 ありがとう、山の恵み…

「NO.108 山の恵み」の続きを読む>>

NO.107 アライグマのツリーハウス

2010年07月02日

岡野 美佐夫  発信機をつけた2頭のアライグマがかわるがわる使っていたスダジイの大木(写真1)。ここにあるはずの樹洞をつき止めようと、同僚二人と梯子を担ぎ、捜索に行きました。  太い枝が折れたあと、腐食が幹の中まで進んで洞ができあがったようでした(写真2)。地上高3.5mにあり、洞の入り口は直径20cm、奥行きは63cmで、1頭が休むには十分な大きさなのでしょう。  そこに向けて自動撮影カメラを設置すると・・・、数日後に見事アライグマが撮影されました(写真3)! 20100702_araiguma.jpg

「NO.107 アライグマのツリ…」の続きを読む>>

ページの先頭へ