研究員によるフォトブログ

Field Note 公開記事

No.94 2006年クマ大量出没が語るもの

2007年04月発行

2006年クマ大量出没が語るもの 片山 敦司(WMO)  2007年2月9日~11日、日本クマネットワーク(JBN)が主催する「緊急クマワークショップ」と「緊急クマシンポジウム」が東京で開催された。前者はJBN会員と行政担当者など、クマ問題の前線で格闘している人々が、2006年度のクマ大量出没の原因、対策、課題等を総括し、今後のクマ類の保護管理の方向性をJBNからの提言という形でまとめあげるというもの。後者は、一般向けのシンポジウムで、「人里に出没したクマをどうするのか?・人里に出没させないための方策は?-2006…

「No.94 2006年クマ大量…」の続きを読む>>

No.93 イノシシの牙

2007年01月発行

イノシシの牙 岸本 真弓(WMO) 今年はイノシシ年。 いろいろなイノシシの年賀状をいただいた。かわいいイノシシ、リアルなイノシシ、勇ましいイノシシ。ブタとの違いは粗い毛と、鋭くむいた牙のようだ。それが一般の人が抱くイノシシの姿なんだろう。 だが、実際にはイノシシの牙はオスの成獣でしか目立たない(写真1,2)。それにサイの角のように前に突き出ているのではなく、後ろに湾曲している。正確に言うと、前に弧を描くように湾曲し、先端は斜め後ろを向いている。これは下の犬歯で、不思議なのは上の犬歯も同じようにカーブしていることだ…

「No.93 イノシシの牙」の続きを読む>>

No.92 秋の山、クマの暮らしを垣間みた

2006年10月発行

秋の山、クマの暮らしを垣間みた 瀧井 暁子(WMO)    フィールドノートの原稿の締切りがとうに過ぎてしまった(編集者さん、ごめんなさい)。その頃、私はY県境付近の山の中でシカの糞塊調査を行っていた。 この調査は、単独で山の尾根を5~6km歩きながらシカの糞を記録するものである。登山道もあれば、道のまったくない尾根もある。調査範囲は、標高約900~2000mであり、スギ・ヒノキ・カラマツなどの植林地のほか、標高1600m付近まではブナ・ミズナラ林が多く、標高1600m以上は、主にコメツガ林となっている。…

「No.92 秋の山、クマの暮ら…」の続きを読む>>

No.91 うんこのだし方、いかし方

2006年07月発行

うんこのだし方、いかし方 岸本 真弓(WMO) 昨年秋、例年通り訪れたのシカ糞塊密度調査対象地である福井県、兵庫県、滋賀県の山の実りは見事だった。標高の高いところでは、ブナ拾いに熱中した。しぶみやえぐみをとことん敬遠しているはずのヒトでさえ、おいしいと感じるブナの実を、山の動物たちが大好きなのは当たり前、私なんぞに拾われては怒るだろうなと、ちょっとビクビクしながら拾い集めた。一緒に調査に行ったY山さんは、果樹園状態のアケビを発見。私もおすそわけにあずかった。このおすそわけにヒトは舌鼓を打ったわけだが、タヌキは山の実…

「No.91 うんこのだし方、い…」の続きを読む>>

No.90 続・仙台のニホンザル

2006年04月発行

 続・仙台のニホンザル 清野 紘典(WMO) 2006年3月10日・11日、京都大学霊長類研究所において共同利用研究会「野生霊長類の保全生物学」と題した研究会が開催されました。学生時代に共同利用研究にお世話になっていたこともあり、研究発表を行いました。 発表の内容は、仙台市に生息する野生ニホンザル群の生態についてでしたが、今回そのすべてを紹介するには限りがありますので、『Field Note No.75』で森光(WMO)によって報告されている「仙台のニホンザル」(p7-11)の続編として、仙台のサルとそれらを取り巻…

「No.90 続・仙台のニホンザ…」の続きを読む>>

No.89 『人慣れグマ』との正しい「付き合いかた」とは?

2006年01月発行

『人慣れグマ』との正しい「付き合いかた」とは? ―クマの夏2005― 泉山 茂之(WMO) 毎年、夏は休む間もなくクマと向き合う日々が続く。北アルプス南部の上高地周辺では、ホテルや山小屋でのゴミ管理が行き届くようになり、生ゴミに餌付いて問題を起こすクマはほとんどいなくなった。 ところが、2002年頃から、遊歩道の周辺で日中からふらふら徘徊する仔グマが話題になり始めた。親グマから離れて間もない仔グマが連日目撃され、観光客からは携帯シャッターの嵐で、人気の的だったそうだ。 確かに、仔グマはかわいいかも知れない。このよう…

「No.89 『人慣れグマ』との…」の続きを読む>>

No.88 ヒガンバナは不吉な花なんだろうか・・・・

2005年10月発行

ヒガンバナは不吉な花なんだろうか・・・・ 横山 典子(WMO)   暑さ、寒さも彼岸までといわれますが、すっかり涼しくなり、秋らしくなってきました。 先日、どこかに出かける途中でヒガンバナを見ました。黄金色に輝く田んぼを赤く縁取っているかのようにヒガンバナが群生している風景に、日本人の色使いのセンスの良さに感じ入り、本当に日本って美しい国なんだとガラにもなくしみじみとした気持ちでしばらく眺めていました。その時に、昔読んだ本の中にヒガンバナは自生しているのではなく、植えられたもので、田んぼの畦にモグラやネズミの侵入を…

「No.88 ヒガンバナは不吉な…」の続きを読む>>

No.87 エキゾチックアニマルに思う

2005年07月発行

エキゾチックアニマルに思う 名矢 結香(WMO)     エキゾチックアニマルという言葉をご存知でしょうか。厳密な定義はないようですが、実際にはイヌ・ネコ以外の伴侶動物を指します。ここには哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、そして魚類や昆虫を含むこともあります。   最近はペットショップに行くと、驚くほどたくさんの種類の外国産の動物?エキゾチックアニマルを見ることができます。またインターネットで手軽に購入することもでき、輸入を代行してくれる業者などもあるようです。 財務省貿易月表によると、2004年には哺乳類は…

「No.87 エキゾチックアニマ…」の続きを読む>>

No.85 サルの「川干し」

2005年01月発行

サルの「川干し」 泉山 茂之(WMO)        信州の伊那谷では、サルの「川干し」の話しを、幾度となく聞きました。サルの「川干し」とは、サルたちが渓流の石を積んで、水の流れを変えて川を干す、 という仕事のことを云います。サルたちは、干した河原に残された魚などを獲ることができます。サルたちが、ほんとうに川魚を食べるかどうかは別にしても、 そんな光景を一度は見てみたいものだと、私は想っていました。 サルたちの生き方は、「自分のことは、自分が責任を持つ」、ということが基本です。自身が得た食料は、母ザルさえ…

「No.85 サルの「川干し」」の続きを読む>>

No.84 彩りの秋、サルの顔色をうかがう

2004年10月発行

けものけのなか 彩りの秋、サルの顔色をうかがう   岸本 真弓(WMO) 台風18号の暴風と塩害で今年は紅葉を楽しめない地域が多いそうだ.WMO関西分室の周りも例外ではない.ただ関西分室は神戸市にあるとはいえ,裏六甲に位置し,南風は標高約1000mある六甲山塊に遮られて被害はかなり免れた.表六甲や淡路島の山々では,斜面の向きを,風の当たり具合を版にとられたかのように赤褐色に染められている.さしずめスギ・ヒノキたち針葉樹は凹面か. ひと秋紅葉を楽しめないことくらいは我慢できるが,秋の実りに頼る動物たちのことが心配だ.…

「No.84 彩りの秋、サルの顔…」の続きを読む>>

No.83 サルと出会ったカモシカ?カモシカと出会ったサル?

2004年07月発行

サルと出会ったカモシカ? カモシカと出会ったサル? 瀧井 暁子(WMO) ちょうど春から初夏へゆっくりと季節が変わるころ、群馬県にサルの調査にいきました。朝、ある谷の堰堤の上でニセアカシアの花をほおばるサルたちの様子を観察していたときのことです。 ガサッ、と下の方から音がしたので見てみると、カモシカの親に続いてカモシカの仔(仔カモシカとよびます)が草を食べながらゆっくりと歩いているところでした。いつものルートなのでしょうか、私に気づいたか気づかないのか、静かに林の中に消えていきました。数時間後、私はこのカモシカ親仔…

「No.83 サルと出会ったカモ…」の続きを読む>>

No.82 旧暦と野生動物

2004年04月発行

旧暦と野生動物 奥村 忠誠(WMO)  今日は西暦2004年4月7日である。昨年度調査のまとめもようやく終わりが見えてきた時期である。今、西暦という文字を普通に使ったが、この西暦が使われだしたのは実はそれ程古いことではない。 それは、突如として始まった。明治五年十二月三日が明治6 (1872)年1月1日に改暦になったのである。実際には、十一月九日の時点で改暦についての詔が出されたのだが、新年に向けて来年の暦は製造され、日本国民にとっても寝耳に水のものであり、まさに突如の出来事であった。政府内においても、鬼の居ぬ間に…

「No.82 旧暦と野生動物」の続きを読む>>

No.81 槍ヶ岳の25年

2004年01月発行

槍ヶ岳の25年  泉山茂之(WMO)  昨年5月12 日、NHKの「地球!ふしぎ大自然」で『めざすは標高3000メートル-北アルプス槍ヶ岳に登るサル-』が放映されました。読者の中にも、ご覧になった方もいることでしょう。取材には、ほぼ一年かかりました。人間につきまとわれて、サルたちにとっては、さぞ迷惑なことだったでしょう。私が「槍ヶ岳の群れ」と長い時間を過ごしたのは、10年ぶりのことでした。10年の歳月は、サルの群れの世代が変わっていることを意味してもいます。かつての個体は、今は生きていないということなのです。198…

「No.81 槍ヶ岳の25年」の続きを読む>>

No.80 外来種対策の地位

2003年10月発行

外来種対策の地位 白井 啓(WMO)  最近「在来種対策と外来種対策の競合」を感じることが多い。最近、在来種対策に加えて、外来種対策の現場や会合に行く機会が多くなっているが、「対策の予算がない」という声を聞くことが多い。現在の緊縮財政の煽りを受けていることは間違いないが、予算に奪い合いはつきものということか。 地位向上を望む  外来種が定着すると、食物、隠れ場所などを在来種と競合する場合が多い。また、外来種によって在来種が捕食されたり遺伝子が汚染されたり、在来生態系そのものを破壊する。例えばアライグマは、いままでタ…

「No.80 外来種対策の地位」の続きを読む>>

No.79 琉球のちょっと変わったカエルたち

2003年07月発行

西表島などで問題となっているオオヒキガエル 沖縄諸島で問題となっているシロアゴガエル 奄美徳之島に生息するアマミハナサキガエル 沖縄島に生息するハナサキガエル 石垣西表に生息するオオハナサキガエル 石垣西表に生息するコガタハナサキガエル 沖縄奄美諸島に生息するイボイモリ 沖縄・渡嘉敷島に生息するホルストガエル やんばるの森 イシカワガエル 琉球のちょっと変わったカエルたち (冬のやんばる) 河内 紀浩(WMO) ●琉球列島の両生類の特徴 現在、日本に生息する両生類(移入種を含む)は60種、その…

「No.79 琉球のちょっと変わ…」の続きを読む>>

No.78 GPSテレメはどこへいった?

2003年04月発行

GPSテレメはどこへいった? 瀧井 暁子(WMO) 昨年、シカにGPS テレメを装着し追跡する機会がありました。GPSテレメ-GPS首輪とも言われますが(英語ではGPS telemetry systemとかGPS collar)-とは、GPS(全地球測位システムの略)を搭載した野生動物追跡用の首輪です。実はこのシステムはもともと1970年代前半からアメリカが軍事用に開発したもの。最近イラク戦争を報じるニュースの中でもこの言葉を聞くようになりました。GPSにより正確に位置を計算し、精度の高い爆撃を行う・・・ハイテク機…

「No.78 GPSテレメはどこ…」の続きを読む>>

No.77 シカの冬の主食~ササのはなし

2003年01月発行

シカの冬の主食~ササのはなし 瀧井 暁子(WMO) ◆はじめに 暦の上では、1月に入ってから節分あたりまでがもっとも厳しい寒さになるようです。今年は例年に比べ冷え込みが厳しく、お正月休暇を終えて約10 日ぶりに仕事場である丹沢に入ってみるとすでに県道や林道は昼間でも凍結していてすっかり真冬の装いになっていました。これからますます冷え込んで、丹沢で暮らすシカにとっても最も厳しい時期になります。今年は、積雪も早かったので無事に春を越せるかどうかが気がかりです。 私は、現在主に丹沢山地で発信器を装着したニホンジカの追跡を…

「No.77 シカの冬の主食~サ…」の続きを読む>>

No.75 日本一の山、富士山に思う

2002年07月発行

日本一の山、富士山に思う 奥村 忠誠 (WMO) 今年も富士山のシーズンがやってきました。皆さんは富士山に登ったことがありますか? 富士山の登山シーズンは山梨県側では7月1日から8月26日までといわれており、毎年6月30日と7月1日には、ふもとの北口本宮冨士浅間神社で、富士山開山前夜祭と開山祭が行われます。前夜祭では富士山を信仰している富士山講社のパレードが古式豊かに開催され、ふもとに短い夏の到来を告げます。また、8月26日は富士山の山じまいのお祭りとして、「吉田の火祭り」が行われます。この祭りを最後に富士山の短い…

「No.75 日本一の山、富士山…」の続きを読む>>

ページの先頭へ