研究員によるフォトブログ

No.448 山の砂利沢に魚を発見!

2024年03月11日

姜 兆文 春に尾瀬ヶ原の湿原を囲む山を踏査したとき、森の中の乾いた砂利沢の真ん中に一匹のイワナを見つけ、驚いた。 私はなぜそこにイワナがいるのかを想像してみた。奇跡のように天から降ってきたのかもしれない(笑)が、それよりも、水位が急上昇したときに新天地を開拓するために上流に向かって泳いできたところ、水位が急降下して取り残された可能性の方が高い。 尾瀬湿原は水位が急激に変化するため、新しいエリアを探検しようとする魚は、取り残されないように注意しなければならない。 イワナに近づいて冷静に見ると、最期に懸命に水に口をつけ…

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No. 447 確信犯かおっちょこちょいか

2024年02月20日

海老原寛 調査で集落周辺を周回していると、箱わなを見つけた。 扉が落ちているようなので、少しのぞかせてもらうと・・・ なんとカラスが入ってしまっていました。 檻の餌を狙って、カラスが入ってしまうことがあるようですが、通常カラスに対しての許可は下りていないため、錯誤捕獲とされて放鳥されるはずです。 この個体がどうかはわかりませんが、放鳥されることを覚えて、檻の餌を狙ってわざと何度も入ってしまうこともあるようです(トラップハッピー)。 それにしても、カラスはヌカでいいのでしょうかね。

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No. 446 巨木にクマの立木冬眠穴

2024年02月09日

姜 兆文 早春の山を歩いていると、前方の巨木にクマの立派な立木冬眠穴を見つけた(写真1)。遠くからでも、穴の入り口の下の幹にはクマが出入りした痕跡がはっきりと見えた。好奇心がそそられた私は、クマが冬眠として使っていた詳細な状況を確認しようと、そっと近づいて見た。木肌についている新鮮な爪痕(写真2、3)から、この穴は今冬にでっかいクマに使われたことがわかった。 クマは冬眠から覚めた直後は活動が鈍く、冬眠穴の周囲の環境を利用する習性があり、また、再びその穴で休む可能性もある事を思い出し、穴の出入り口を注視しながら、息を…

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No. 445 ほお袋を持つシカ

2024年02月09日

姜 兆文 現地調査中、林道の両側の森を観察しながらゆっくりと車を走らせていると、突然、林道を横断するシカの群れと出会った。私はゆっくりと車を停め、車内から林道を渡るシカの様子を眺めていた。すると、最後の若メスと思われる1頭が林道沿いで立ち止まり、車のほうに視線を向けてきた(写真1)。 そのシカの頭部を見ると、顔の側面が膨らんでいることに気づき、面白いと思って、興味深く観察することにした。立ち止まったのはどんな気持ちのだろうか?車を警戒しているのだろうか?車に脅威を感じているのだろうか?・・・更に顔の膨らみについて思…

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No.444 フランスパンは硬くて好き

2024年01月22日

海老原寛   あー、山登ってきて疲れたな。 そろそろお昼だし、ちょっと休憩するか。 どっこいしょ。 今日はお昼ごはんに何買ったんだっけな? あぁ、そうだソーセージ入りフランスパン買ったんだった。 さぁ、食べよう。 いただきま・・・・あれ? 同じの2つも買ったっけな?

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No.443 隠しご飯見つけた!

2024年01月04日

海田明裕 足を止め、進むべき方向の地形を確認しようと目線を上げたとき 斜め前にボロボロの枯木が立っていました。 穴だらけの幹の中に艶のあるものがチラリと見えた気がしてよく見ると 狭い空間にどんぐりが1つだけ挟まっていました。 上から落ちたものかと思いましたが、見上げた視界の中にはどんぐりをならす木は見当たりません。 隙間の狭さから想像するに、ネズミよりもカケスなどの鳥の仕業ではないかと思われましたが確信はありません。 隠し主がだれかは置いておいて、なんとなく他人の秘密を見てしまったような気持ちになりました。 このど…

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No.442 BIGエビフライ!

2023年12月27日

中島彩季 “森のエビフライ”と呼ばれるだけあって、松ぼっくりのリスやムササビなどの食痕は見事にエビフライに似ている。 ある時とても大きなエビフライを発見! リスたちは一度に1個食べきれるのだろうか、なかなかなボリュームに思える。 正体はテーダマツだった。 テーダマツよりも大きいゴヨウマツの食痕もエビフライ状になるのか?そうなるともっと大きなエビフライが存在する?? 新たな疑問(期待)が生まれた。 ゴヨウマツが生えている場所で調査する機会があれば探してみようと思う。 (・・・ちなみに、テーダマツの“エビフライ”は、そ…

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No.441 ツッコミ待ち

2023年11月21日

海老原寛 琵琶湖には、釣り上げたブラックバスなどの外来魚を放流してはいけない条例があり、外来魚回収ボックスや回収いけすが多く設置されている。 ん? お前、立場わかってんのかい! (ヌートリアは、外来種です) 実際には、ボックスの中に在来魚やヌートリアの死体が入れられてしまっていることもあるらしいです。 外来種駆除も必要ですが、ルールは守ってほしいですね。

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No.440 燃える山、燃える尻

2023年11月06日

森洋佑 シカを探しに山梨県の山に行ってきました。 ちょうど紅葉の盛りで、山全体が燃えるように真っ赤になっていました。 とても綺麗でシカを探しつつ、山の景色も撮りつつの踏査でした。 調査地の紅葉 調査地の紅葉 燃える山 期間中、天気も良く調査日和が続きました。 シカの痕跡も多く、シカを見つけるのも時間の問題だと思っていたのですが。。。 なんと調査終了日が近づいても一向にシカに出会えません。 これはヤバい!もしかしたら本当に燃えているのは山ではなく私のお尻!?  

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No.439 天然大砲

2023年10月19日

姜 調査中の山中で写真のように、倒れた木(写真1)のその形状(写真2)や先端が空洞(写真3)になっているのを見た瞬間、大砲を連想しました。 ウクライナとロシアの悲惨な戦争が続いており、世界にますます不安を与えていて、とても心配です。一刻も早く戦争が終結し、全ての人が普通の日常に戻れるように祈るばかりです。 妄想ですが、もし本当に神様がいるのなら、人類の普遍的な価値を守りたい側に、強力なこの天然砲を与えて勝利の決着をつけられるように助けてあげてほしいと切に願いました。

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No.438 よく見ると顔はかわいい(と思う)

2023年10月14日

海老原寛 8月のある日、家の窓の桟にたくさんフンが付いているのに気付いた。 何かの虫かな?とも思ったが、特に餌となる植物があるわけではない。 これは・・・と思い、通気口をのぞいてみると、やっぱりコウモリがいました。 一度気付くと気になるもので、それから定期的にのぞいていました。 いる日といない日がありましたが、だんだん見かけることが少なくなりました。 どこか行ってしまったなぁと思っていた、10月のある日ベランダを見ると、見覚えのあるフンが。 給湯器の真下にあるという不自然さはありましたが、今度こそハトかな?と思いつ…

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No.437 意外な犯人

2023年09月29日

平山寛之 私の自宅ではこのところ事件が続いている。ブロックの上に茶色いゴミのようなものが散乱した状態になっているのです。 集めたのがこれ。 茶色いゴミのようなもの、すべてミノムシです。しかも、中身は空でミノのみ。片付けても片付けても翌日には元通り。2週間ほど続いていました。 ミノムシが一斉に羽化するようなことはないだろうし、不思議だなと思っていました。毎日の片付けに疑問がなくなるほど続いたところで、解決編。 早朝に訪れた2羽のシジュウカラが器用にミノムシをほじくり出して食べる。その時の止まり場が先のブロックでした。…

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No.436 尾瀬の春の異変

2023年09月14日

姜 2013年に調査の為に尾瀬ヶ原を訪れ始めてから11年が経つ中で、今回初めてゴールデンウイークに訪れました。5月3日にもかかわらず尾瀬ヶ原の湿原にはほとんど雪が残っておらず(写真1、2)、今までに無く雪解けが早いことに驚きました。 尾瀬を訪れた他の人々は、この時期に水芭蕉(写真3)を見ることができ嬉しかったと思いますが、私はこのような早い時期に水芭蕉を見られたことに、とても不安を感じました。 雪解けが異常に早いのは、各年の気象条件の違い(例えば冬季の積雪量など)によるものもあるかもしれませんが、私自身、11年前か…

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No.435 心躍る瞬間

2023年08月23日

中島彩季 シカの糞塊密度調査中に見つけたもの。 ルート上に落ちていたシカ糞を良ーく見ると、イガグリの棘に刺さっていた。 ちょっと心が躍った。 イガグリの棘は地面に手をついた時に手に刺さることがあるが、非常に痛い。 シカ糞が刺さっている様子を見て、改めてその鋭利さを実感した。 山を歩いていると、こうした面白いものを発見することが度々ある。 野外調査の楽しみのひとつである。

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No.434 恐竜の卵化石ではなかった!

2023年08月09日

先日、No.412で「恐竜の卵化石を発見!」を報告したが、恐竜化石の専門家に確認してもらったところ、残念な結果となってしまった。その主たる根拠は、卵の「殻」に見える部分の厚さが一定ではない事(写真1、2、No.412の写真も参照)であった。恐竜の卵化石の殻の厚さは、肉眼では僅かな違いを見分けるのが困難な程、どこを取っても大きく変わらないそうだ。 この正体は岩石が玉ねぎの薄皮のようにはがれる、「風化」の一種であった。岩石の表面と岩石内部の膨張量の差による歪みによって、割れ目が生じる。さらに岩石に染み込んだ水や日光によ…

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No.433 尾瀬での休日

2023年08月09日

WMOでは尾瀬ヶ原や尾瀬沼でも仕事をしています。 繁忙期には数週間にわたって尾瀬に泊まり込むことも珍しくありません。 そんな折、週末の2日間だけ東京に帰る代わりに、現地でお休みをもらうことにしました。 天気も良かったので東北地方最高峰の燧ヶ岳に登ってきました。 仕事で歩き回る尾瀬ヶ原も尾瀬沼も一望でした。「あの林、林床はササばかりで歩くの大変なんだよな・・・」「あそこはシカ見たところだ」とか思いつつも、最後は「やっぱり綺麗だ・・・」と見とれてしまいます。   燧ヶ岳   燧ヶ岳から見た尾瀬沼 &…

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No.432 誘拐犯に注意

2023年07月20日

岸本真弓   調査中ではないです。朝、出勤前に自宅の前の道を歩いていたらかわいいコシアカツバメがうずくまっていました(写真1)。手が触れそうなくらい近づいても動きません。よく見ると産毛がまだあって、どうやら巣立ちビナのようです。 こんなところにいたら急ぎ足の人に踏まれるか、保護という名の誘拐にあってしまうよ。 鞄でチョイチョイっとおっ立てて生け垣の方に寄せてあげました。あとはお母さんにお任せです(写真2)。 写真1 写真2

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No.431 都庁登庁?

2023年07月13日

森洋佑 フォトブログを見ていると、WMOの職員はみんな山ばかりに行っているように思えてしまいますね。実は山だけでなく都会へ行くこともあるのです。 写真は書類を届けに新宿の都庁に行ったとき、お使いが早く終わったので最上階の展望室に行って撮りました。 都心の街並みから富士山まで一望することができました。 都庁展望室からの眺め 丹沢山地や関東山地の後ろに富士山が見える。 真下を見てみました。公園に都庁の影が映っていました。

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No.430 高嶺の首輪

2023年06月30日

ペンネーム:ユージ 先日の宮城県でのクマの首輪探索中 ずっと近くで探索音がしてるのに見つからない、、、 当たりの地面をイノシシのように、落ち葉をかき分け探しまくり、諦めかけたところ 再度アンテナを振ってみると、上の方が強いような気がー (⇩この中にあります!)             正解は写真中央付近。そんなとこにどうして、、、 同じブナの木にはクマの登った跡が! モグモグとブナの実を採食中に木の上で外れてしまったのか。僕がクマなら相当ビビる、、、

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No.429 気まぐれな木

2023年06月14日

ペンネーム:たぬぞう 調査の帰りに変わった形の木を見つけました。 なぜ彼が(彼女か?)こうなったのか、まったく見当つきませんが、私はなんだか「絶対生き延びてやる!」という不屈の精神を感じた気がしました。 とまあ、自然の中にあるいろいろな不思議に出会う度に、なんでこうなったのだろうなんて妄想して楽しむのですが、むしろ不思議に見えているのは自分だけで、これは当たり前の姿だったりするのかなとも思います。いつだって自分が見えているものは、自分のフィルターを通してしか見ていないのだと、たまに立ち止まって思い出すようにはしてい…

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