研究員によるフォトブログ

No.243 ミイラ!?

2016年06月03日

檀上 理沙
昨年春の糞塊密度調査で出会った不思議なもの。ミイラ化したような動物の死体(写真1)。
ミイラとは人為的加工ないし自然条件によって乾燥され、長期間原型を留めている死体のこと(ウィキペディアから引用)を指すらしいが、この写真の動物は顔全体と四肢の先だけミイラ化しているように見えた。ミイラ化といっても、皮膚が乾燥して黒色化したものが骨の表面に張り付いているといった感じで、腐敗の一過程にすぎないのかもしれないが私は見たことがなかったので驚いた。もし、これがミイラだとしたら、私の頭の中は古代エジプトへ飛んでいってしまうが、ここは西日本!たとえ、冬で乾燥した環境だったとしてもミイラになるのだろうか?この動物にいったいどんな自然現象が起こったのだろう?そもそもなぜ死んだのだろう?とまじまじと観察しながら、物思いにふける。
毛質と頭蓋骨の形状から連想するに、この動物はおそらくタヌキ。歯はとてもキレイなので、それほど老齢ではないと思う(写真2)。脊椎骨や肋骨は白骨化している。
いつもなら骨を拾い集めて持ち帰ってしまう私だが、この時はその環境を変化させてしまうことが良くない気がして、静かにその場を立ち去った。
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