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Field Note 公開記事

No.83 サルと出会ったカモシカ?カモシカと出会ったサル?

2004年07月発行

サルと出会ったカモシカ? カモシカと出会ったサル? 瀧井 暁子(WMO) ちょうど春から初夏へゆっくりと季節が変わるころ、群馬県にサルの調査にいきました。朝、ある谷の堰堤の上でニセアカシアの花をほおばるサルたちの様子を観察していたときのことです。 ガサッ、と下の方から音がしたので見てみると、カモシカの親に続いてカモシカの仔(仔カモシカとよびます)が草を食べながらゆっくりと歩いているところでした。いつものルートなのでしょうか、私に気づいたか気づかないのか、静かに林の中に消えていきました。数時間後、私はこのカモシカ親仔…

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No.82 旧暦と野生動物

2004年04月発行

旧暦と野生動物 奥村 忠誠(WMO)  今日は西暦2004年4月7日である。昨年度調査のまとめもようやく終わりが見えてきた時期である。今、西暦という文字を普通に使ったが、この西暦が使われだしたのは実はそれ程古いことではない。 それは、突如として始まった。明治五年十二月三日が明治6 (1872)年1月1日に改暦になったのである。実際には、十一月九日の時点で改暦についての詔が出されたのだが、新年に向けて来年の暦は製造され、日本国民にとっても寝耳に水のものであり、まさに突如の出来事であった。政府内においても、鬼の居ぬ間に…

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No.81 槍ヶ岳の25年

2004年01月発行

槍ヶ岳の25年  泉山茂之(WMO)  昨年5月12 日、NHKの「地球!ふしぎ大自然」で『めざすは標高3000メートル-北アルプス槍ヶ岳に登るサル-』が放映されました。読者の中にも、ご覧になった方もいることでしょう。取材には、ほぼ一年かかりました。人間につきまとわれて、サルたちにとっては、さぞ迷惑なことだったでしょう。私が「槍ヶ岳の群れ」と長い時間を過ごしたのは、10年ぶりのことでした。10年の歳月は、サルの群れの世代が変わっていることを意味してもいます。かつての個体は、今は生きていないということなのです。198…

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No.80 外来種対策の地位

2003年10月発行

外来種対策の地位 白井 啓(WMO)  最近「在来種対策と外来種対策の競合」を感じることが多い。最近、在来種対策に加えて、外来種対策の現場や会合に行く機会が多くなっているが、「対策の予算がない」という声を聞くことが多い。現在の緊縮財政の煽りを受けていることは間違いないが、予算に奪い合いはつきものということか。 地位向上を望む  外来種が定着すると、食物、隠れ場所などを在来種と競合する場合が多い。また、外来種によって在来種が捕食されたり遺伝子が汚染されたり、在来生態系そのものを破壊する。例えばアライグマは、いままでタ…

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No.79 琉球のちょっと変わったカエルたち

2003年07月発行

西表島などで問題となっているオオヒキガエル 沖縄諸島で問題となっているシロアゴガエル 奄美徳之島に生息するアマミハナサキガエル 沖縄島に生息するハナサキガエル 石垣西表に生息するオオハナサキガエル 石垣西表に生息するコガタハナサキガエル 沖縄奄美諸島に生息するイボイモリ 沖縄・渡嘉敷島に生息するホルストガエル やんばるの森 イシカワガエル 琉球のちょっと変わったカエルたち (冬のやんばる) 河内 紀浩(WMO) ●琉球列島の両生類の特徴 現在、日本に生息する両生類(移入種を含む)は60種、その…

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No.78 GPSテレメはどこへいった?

2003年04月発行

GPSテレメはどこへいった? 瀧井 暁子(WMO) 昨年、シカにGPS テレメを装着し追跡する機会がありました。GPSテレメ-GPS首輪とも言われますが(英語ではGPS telemetry systemとかGPS collar)-とは、GPS(全地球測位システムの略)を搭載した野生動物追跡用の首輪です。実はこのシステムはもともと1970年代前半からアメリカが軍事用に開発したもの。最近イラク戦争を報じるニュースの中でもこの言葉を聞くようになりました。GPSにより正確に位置を計算し、精度の高い爆撃を行う・・・ハイテク機…

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No.77 シカの冬の主食~ササのはなし

2003年01月発行

シカの冬の主食~ササのはなし 瀧井 暁子(WMO) ◆はじめに 暦の上では、1月に入ってから節分あたりまでがもっとも厳しい寒さになるようです。今年は例年に比べ冷え込みが厳しく、お正月休暇を終えて約10 日ぶりに仕事場である丹沢に入ってみるとすでに県道や林道は昼間でも凍結していてすっかり真冬の装いになっていました。これからますます冷え込んで、丹沢で暮らすシカにとっても最も厳しい時期になります。今年は、積雪も早かったので無事に春を越せるかどうかが気がかりです。 私は、現在主に丹沢山地で発信器を装着したニホンジカの追跡を…

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No.75 日本一の山、富士山に思う

2002年07月発行

日本一の山、富士山に思う 奥村 忠誠 (WMO) 今年も富士山のシーズンがやってきました。皆さんは富士山に登ったことがありますか? 富士山の登山シーズンは山梨県側では7月1日から8月26日までといわれており、毎年6月30日と7月1日には、ふもとの北口本宮冨士浅間神社で、富士山開山前夜祭と開山祭が行われます。前夜祭では富士山を信仰している富士山講社のパレードが古式豊かに開催され、ふもとに短い夏の到来を告げます。また、8月26日は富士山の山じまいのお祭りとして、「吉田の火祭り」が行われます。この祭りを最後に富士山の短い…

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