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Field Note 公開記事

No.153 ライフワークになりつつある羽収集

2022年01月発行

ライフワークになりつつある羽収集   溝井 彩(WMO)   新年あけましておめでとうございます。 2022年は虎年だということで、あちこちで虎の絵が目に入りますね。では皆さん。虎は虎でも、このトラ、何トラか分かりますか?     正解はトラツグミの羽です。翼の白いパッチと部分的に明るい茶色い模様と、先端が濃い茶色の羽毛が特徴的です。 トラツグミといえば「トラツグミのダンス」といって、落ち葉等の下にいる虫を探す時に体を上下に動かす姿が有名ですが、初めて私がトラツグミに出会った…

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No.152 サラリーマン田舎暮らし~春夏編~

2021年10月発行

サラリーマン田舎暮らし~春夏編~   稲葉 史晃(WMO)   ~はじめに~ 田舎暮らしというのか、山暮らしと言うのかよく分からないが、とりあえず私は街から離れた場所で暮らしている。国道までは比較的近いのだが、山の斜面を削って開発された別荘地の中に家があり、地デジも受信出来なければ、トイレも簡易水洗、周囲の家は井戸水で生活している様である。引っ越して2年間で、動物を轢いて車を壊す・ムカデに刺される・家の中にアリの巣が出来る・水道凍結により風呂に入れない・畑が獣に食い荒らされる等・・挙げるときりが…

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No.151 「屋根裏の散歩者?」ご近所獣害対策

2021年07月発行

「屋根裏の散歩者?」ご近所獣害対策 海田 明裕(WMO)   最近、4年ほど住んだ新興住宅地から、やや郊外にある田園地帯の古民家へ引っ越しました。どちらも会社のある神戸市北区内ですが風景は全く違います。新居はほんとに神戸市かい?というようなのどかさです。近所は田んぼと畑と放置気味の雑木林、民家はポツポツ、空き家もたまにあるけれど、まだまだそんなに多くはない。水田中心の典型的な里山風景です。 元々10年近く空き家だったところに幼い子どものいる一家が引っ越してきた、ということで地元の広報誌の方が取材に来られま…

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No.150 機械仕掛けのフィールドワークの雑感

2021年04月発行

機械仕掛けのフィールドワークの雑感   林 航平(WMO)   雑感 最近、フィールドワークに出るとスマートフォン一台であれやこれやと何でもしてしまう。仲間との連絡にはLINEのチャットで、位置の確認やトラッキングには地図・コンパスアプリで、データはその場でスプレッドシートに入力する。約10年前、私がフィールドワークを始めたころに持っていた道具を思い出してみる。ガラケー、ハンディGPS、デジカメ、野帳、方位磁石など色々な道具を持ち歩いていた。今も大きくは変わらないが、極端なことを言ってしまえば、…

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No.149 福島県避難指示解除区域に暮らして

2021年01月発行

福島県避難指示解除区域に暮らして   鉄谷 龍之(WMO)   私が避難地域鳥獣対策支援員(以下、支援員)になり、福島県双葉郡富岡町で暮らし始めたのは、2019年4月である。東日本大震災および福島第一原子力発電所事故(2011年3月11日)の約8年後、富岡町の一部地域を除く避難指示が解除(2017年4月1日)された約2年後である(図1,2)。そのころには、あまり震災関係のニュースは報道されなくなっていたように思う。支援員になる直前は、仕事の主軸が鳥獣関係から少し離れていたが、「避難12市町村にお…

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No.148 田舎暮らし体験記 ~前編:野生動物との戦い~

2020年10月発行

田舎暮らし体験記 ~前編:野生動物との戦い~   加藤 洋(WMO)   1.田舎暮らしという概念の誕生と変遷 「田舎暮らし」という言葉が定着するようになって、もう数十年になるという。高度経済成長以降の日本では、都市部への人口流出が進んだ。しかし、人々は都市での生活に疲弊したのか、1980年代前半より「脱都会生活」「田舎暮らし」という言葉が生まれ、田舎暮らしへの憧れが高まったという。1980年代後半から1990年代前半には、バブル経済期を背景に、田舎暮らしがリゾートとしての投資対象となり、農村部…

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No.147 日本百名山と私とシカ

2020年07月発行

日本百名山と私とシカ   関 香菜子(WMO)   日本百名山、テレビでも目にする機会が多くその存在は一般的なものかと思います。登頂ツアーも沢山組まれていて、「全部登頂済み!!」「全部言える!!」という人は意外と多いかもしれませんね。 幼少のころから山に親しんでいた私ですが、25歳の時、ふと「そうだ。日本百名山全て登ろう!!・・・60歳までに。」と言い出しました。その時点で、100座のうち富士山・筑波山しか登っていなかったのですが・・・。ただ、日本百名山の最年少登頂記録は6歳という記事もあります…

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No.146 樹皮剥ぎはシカの「食文化」になっている

2020年04月発行

樹皮剥ぎはシカの「食文化」になっている   姜 兆文(WMO)   「文化」と言えば人によってはある有名人の言葉が思い出されるかもしれないが、ここでは野生動物であるシカの「食文化」として紹介したい。1980年代以降、日本各地でニホンジカ(Cervus nippon、以下、シカという)が爆発的に増加し、農林業被害や生態系に対する悪影響が深刻となっている。 シカの個体数増加に伴う過度の採食圧により、ササの退化、下層植生(草本と低木層)の消失(裸地化)、土壌や落葉の流出が起こり、自然植生への影響が問題…

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No.145 「神道と動物」

2020年01月発行

  「神道と動物」 野瀬 遵(WMO)   1.はじめに 2020年がスタートしました。みなさんは初詣には行かれましたか?行かれた方々はどんな神社にお参りしましたか? 神社にいる(ある?)動物と言えば狛犬ですよね。一対の獅子形の像で「阿吽」や「雌雄」を表し、神前守護のためにおかれています。そんな狛犬ですが、起源はエジプトやインドにあるとされ、朝鮮半島経由で飛鳥時代に日本へ移入したものです。多くの神社に設置されるようになったのは江戸時代頃からと言われており、古代の神社にはありませんでした。そのため…

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No.144 サル、ムササビ、そしてドローン

2019年10月発行

サル、ムササビ、そしてドローン 岡野 美佐夫(WMO) ムササビとサル サルに発信器を装着しようと群れを追跡し、捕獲チャンスを狙っていた時の話である。 林の中でゴッゴッというサルの威嚇の声があがり、ほかの個体もそれに追随して威嚇しながら何かを追いかけるような騒ぎが起こった。また群れの中で喧嘩が起こったのだろうと様子をうかがっていると、いつもと様子が違う。悲鳴をあげて逃げ回るサルはおらず、聞こえるのは興奮して威嚇するサルの声だけである。 これはサルではなく、別の生き物が追われているのかと林内をうかがうと、何かを追いか…

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No.143 野生動物と家畜の間で広がる感染症

2019年07月発行

野生動物と家畜の間で広がる感染症 近藤 竜明(WMO)   【はじめに】 2018年9月に衝撃的なニュースが飛び込んできた。私の故郷、岐阜県岐阜市の養豚場で「豚コレラ」が発生したのである。「これは大変なことになるな」と直感した覚えがあるが、この後にイノシシの感染個体が次々と確認され、県の畜産施設でも感染個体が出るなど、ここまで大きな事態になるとは予想もしていなかった。以降、お隣の愛知県でもイノシシや養豚場でも発生が確認され、養豚場の豚が殺処分となるケースが相次いでいる。本稿を執筆中にも三重県そして福井県で…

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No.142 石川県加賀市に生息するカモシカ――行動圏と老齢個体の動き――

2019年04月発行

石川県加賀市に生息するカモシカ――行動圏と老齢個体の動き――   山元 得江(WMO)   【はじめに】 石川県南部の加賀地域では、ニホンカモシカ(以下「カモシカ」という)以外の調査でカモシカを目撃する機会が多かった。また、白山山麓に設定されている白山カモシカ保護地域は、全国のカモシカ保護地域の中でもカモシカ密度が最も高い地域の一つである。一方で、同地域にはニホンジカ(以下「シカ」という)が侵入して分布域が拡大すると共に生息数が増加している状況にある。この地域に生息するカモシカ3頭にGPS首輪を…

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No.141 尾瀬だより ~生物編~

2019年04月発行

尾瀬だより ~生物編~ 後藤 拓弥(WMO) 前回の歴史編に引き続き、今回は尾瀬に住む生物にスポットライトを当てます。尾瀬国立公園内および周辺域(南会津町含む)では多種多様な生物を観察することができます。ほんの一部ではありますが、私が確認できた観察種をいくつかご紹介します。 ■哺乳類編 哺乳類はニホンジカ、ニホンカモシカ、ツキノワグマといった大型獣からニホンザル、キツネ、タヌキ、テン、ヤマネ、オコジョ等々、小中型哺乳類まで多様な種が観察されます。尾瀬に生息するニホンジカは、これまでの環境省のGPS首輪による調査結果…

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和歌山タイワンザルの群れ根絶の報告

2019年02月発行

和歌山タイワンザルの群れ根絶の達成 白井 啓(WMO、和歌山タイワンザルワーキンググループ)   あっという間の24年間 あっという間に月日は流れていたが、ふりかえってみると24年もの長い時が経過していた。あっという間の24年間、粛々と進めてきたとも思うし、同時にさまざまな喜怒哀楽のできごともあった。本来責任のないタイワンザルと交雑ザルを、侵略的外来種だという人の論理で一方的に強制的に捕獲したわけで、祝賀会をする気持ちはない。しかし、日本の外来種対策において大変貴重な事例であり、多くの方々の協力で達成でき…

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No.140 乱反射

2018年10月発行

乱反射 三木 清雅(WMO)   今日、あなたは何を求めて行動しているだろうか。 私は今、原稿の〆切に追われ、野生動物は生きていくために最も重要な食物探しに日々追われているはずである。野生動物にとって食べ物の確保は生死に繋がることであり、それを利用して捕獲にも「エサ」が用いられて、食べ物にありついたら結局死に至ることもある。 山の中を熟知している野生動物にとっても食物探しはきっと容易ではないはずであり、禁断の農作物に手を出すニホンザルがいる。農作物被害に遭っている農家さんに話を聞く機会があるが、よくこんな…

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No.139 野生動物を撮る

2018年07月発行

野生動物を撮る 稲葉 史晃(WMO)   皆さんは「野生動物をとる」と言われた時、どの「とる」を想像しますか。野生動物に関わる方々は「捕る」が浮かぶ人も多いのではないでしょうか。私もその一人ではありますが、今回はとるはとるでも野生動物を「撮る」について書かせていただこうと思います。 モリアオガエルの撮影  モリアオガエルという名前は聞いたことがあっても、見た事のある人は少ないかもしれません。成体は森林で生活し、繁殖期の4月~7月になると林縁近くにある湖沼に集合し産卵します。梅雨の時期に、池際の木に白い塊が…

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No.138 追い払いを通して知ったニホンザルの魅力

2018年04月発行

追い払いを通して知ったニホンザルの魅力 榎本 拓司(WMO) 〇はじめに 私は今から6年前の春、野生動物調査の世界へ足を踏み入れました。それまでは、京都で環境問題について学び、2005年にフィリピン共和国ルソン島にある山岳地帯にて森林回復のための苗木植栽・維持管理の仕事に関わっていました。その後、日本で里山の管理・公園・街路樹・庭園などで造園の仕事をしていました。そして2012年に造園から転身して、ニホンザルの追い払い事業に関わらせていただいた事をきっかけに、追い上げ事業やさまざまなサル業務に関わらせていただき、今…

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No.137 生態系被害防止外来種アメリカザリガニ

2018年01月発行

生態系被害防止外来種アメリカザリガニ 平山 寛之(WMO) 読者のみなさんは外来種というと何を思い浮かべるだろうか。釣りをする人であれば、オオクチバスやブルーギル、野鳥観察が趣味の人であればソウシチョウ、哺乳類に興味があればアライグマやマングースが思い浮かぶだろうか。 先に挙げた動物は、外来種の中でも特定外来生物に指定されているものである。環境省HPによると外来種は「もともとその地域にいなかったのに、人間の活動によって他の地域から入ってきた生物」とされている。その中でも、生態系、人の生命・身体、農林水産業への被害が…

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No.136 「狩りガール」~有効活用:はじめてのシカ角加工~

2017年10月発行

「狩りガール」~有効活用:はじめてのシカ角加工~ 関 香菜子(WMO)   2016年の4月発行(no.130)のFIELDNOTEで、「「狩りガール」~葛藤の日々~」というタイトルで、私が初めて銃猟でシカを捕獲した時のこと、なぜハンターになろうと思ったのか、ハンターとしての葛藤の日々や今後の思いを書いた。今回は、その続編にあたるのか、有効活用の現状についてまとめ、私がはじめて行ったシカ角加工について紹介する。   有効活用として最初に思い浮かぶのは、食肉利用(ジビエ)だと思う。ジビエブームとし…

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No.135 謎の多いイノシシの山での仕事

2017年07月発行

謎の多いイノシシの山での仕事 岸本 真弓(WMO)   野生動物は生態系の中で様々な役割を担っている。その役割や関係性は複雑で、私たちヒトの理解を超えている。だから、わかったなんて言うのはおこがましいが、それでもその一端を見て、想像を膨らませ楽しむことぐらいは許してもらいたい。 2017年4月上旬、京都の山を歩く。もう20年続くシカのモニタリング調査である。そしてこの日の私の担当するコースは、この20年間誰にも譲ることなく私が歩いてきたコースであった。勝手知ったる地形の中、いつものように登り、曲がり進んで…

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