研究員によるフォトブログ

2015年6月記事一覧

No.221 初冠雪の富士山

2015年06月22日

姜 兆文 10月17日、山梨県での調査中に杓子山から初冠雪の富士山を見ることができた。平野部から雲の端を貫くようにそびえ立つ独立峰の雄大さと美しさを改めで感じた(写真1)。山頂部をカメラから覗くと、うっすらと積もった雪に覆われた頂上、鋭い稜線、さらには蛇行する登山道もはっきり見ることができ(写真2)、大自然がかもしだす美しい傑作に感動した。一方、同じ日、悲しいニュースも耳にした。積雪などの天候の厳しさにより、御嶽山の噴火被害による7名の行方不明者の捜索活動が断腸の思いで、やむを得ず中止された。この噴火被害を機に、噴…

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No.220 ママーーーーー!!!

2015年06月17日

檀上 理沙 2014年7月。母グマがイノシシ用の箱わなに錯誤捕獲され、子グマが周囲にうろついるとの通報が入り、現場へ向かった。現場到着時、母グマはすでに興奮状態で、周囲は緊迫した雰囲気に包まれていた。状況確認のため、箱わなに接近すると近くの薮から『クマーーーーッ』『ンマーーーーッ』と鳴く声が聞こえた。私は、その時初めて子グマの鳴き声を聞いた。(本当にクマ~ッて鳴くんだぁ!)と、心の中はとても舞い上がっていたが、緊迫した状況のあまり素直に喜べない状況だった。その声は1頭ではなく、2頭で鳴き交わしており、どうやら2頭の…

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No.219 愛蛇

2015年06月03日

岸本 真弓 2014年は9月から恒例のシカ糞調査が始まった。例年より1ヶ月早いため、山の空気もずいぶん違う。見とおす先は緑に揺れ、足下には草が立つ。旅立つ前の夏鳥の声が聞こえ、体が暖かな両生爬虫類たちは元気だ。  カナヘビは機敏だ。こちらが気づいた時にはもう姿が見えない。カサカサカシャーッという音が、まるで離れたところに届く花火の音のように、すべてが終わってから脳に届く。ところが、珍しく切り株の先端で動かないカナヘビがいた。最初は遠くから、徐々に間合いをつめて撮影していくが、まるで金縛りにでもあったように動かない。…

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