No. 445 ほお袋を持つシカ
2024年02月09日
姜 兆文
現地調査中、林道の両側の森を観察しながらゆっくりと車を走らせていると、突然、林道を横断するシカの群れと出会った。私はゆっくりと車を停め、車内から林道を渡るシカの様子を眺めていた。すると、最後の若メスと思われる1頭が林道沿いで立ち止まり、車のほうに視線を向けてきた(写真1)。
そのシカの頭部を見ると、顔の側面が膨らんでいることに気づき、面白いと思って、興味深く観察することにした。立ち止まったのはどんな気持ちのだろうか?車を警戒しているのだろうか?車に脅威を感じているのだろうか?・・・更に顔の膨らみについて思いを馳せてみた。怒っているのか?驚いているのか?或いは口いっぱいに食べ物を頬張りすぎて呑み込めきれなかったのだろうか?それとも、自然環境の中で食べ物が足りなくなって、リスやムササビのようなほお袋(中国語:頬嚢、英語:cheek pouch)を持つように進化しているのだろうか?
シカの表情について知識不足の私はこのような考えだけしか思い浮かばなかったが、この文章を読んでいる皆さんはどう思われただろうか。
写真1.林道を渡らず止まったシカ
写真2.ほお袋持つシカ
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