研究員によるフォトブログ

No.462 パパラッチ

2024年10月28日

ペンネーム ユージ 調査のために自動撮影カメラを設置していると、カメラ目線の子が撮れることがよくある。 自動撮影カメラは人では聞き取りづらいほどの小さなシャッター音なのだが、静寂な森の中では、ちょこっとした音にも敏感になっているようだ。 なぜか気になるのだろう(以下同一地点) 気になるねー やめてくれー あ、ども、こんにちは、

「No.462 パパラッチ」の続きを読む>>

No.461 柿の木

2024年10月11日

森洋佑 埼玉県での糞塊密度調査のときに見かけた柿の木です。 早朝に見たときは通り過ぎてしまったのですが、「やっぱり、あの実り方はすごい」と思って帰りに写真を撮りました。     古い旧家や地方のお宅にはよく柿の木が植わっています。普段は食い気が先に来て「うまそうだなぁ」って思うことが多いのですが、この柿の木を見たときは「これは食い切れない・・・」と諦観の念が先にきました。 そこでハタと気づいたのですが、私はてっきり柿の木は食べるために植えられると思っていたのですが、この木を見て違う理由もあるので…

「No.461 柿の木」の続きを読む>>

No. 460 ブナの大木

2024年10月01日

森洋佑 ブナは日本の冷温帯を代表する樹種のひとつです。東北の日本海側にいくと綺麗に真っ直ぐ伸びたブナの純林を見ることができます。 神奈川県は暖温帯に属するのでブナは標高が高く気温の低い一部の地域にしか生育していません。またそうしたところでも純林を作るのではなく他の樹木やササと混ざりながら枝を広げているのが普通です。 写真は箱根の高標高域に生育するブナの大木です。コケに覆われて大きく枝を広げていますね。この場所、ブナのドングリは落ちているのですが実生(芽生え)を見つけることはできませんでした。 ブナが次世代にバトンを…

「No. 460 ブナの大木」の続きを読む>>

No.459 カモシカも鳴くよ!

2024年09月13日

姜 兆文 現地調査の際、山の急斜面から尾根の鞍部に下りた途端、何かが「シュッ、シュッ」と大きい鳴き声を出しながら逃げていることに気がついた。走り去った方向にカメラを構えたところ、カモシカであったことが確認でき、とても驚いた! 私は1995年に来日してすぐにカモシカの採食生態の研究を始め、あれから26年、調査現場でカモシカによく出会ってきたが、カモシカの鳴き声を聞いたことはなかった。今回、初めて山の中で生のカモシカの鳴き声を自分の耳で聞くことができ、驚きと嬉しさでいっぱいであった。来日して間もなく、ある動物園で行われ…

「No.459 カモシカも鳴くよ…」の続きを読む>>

No.458 天の助けか悪魔の罠か

2024年08月16日

岸本真弓 山を歩いていたら、ガッシャンという音とともに左足が拘束された。そう、くくりわなにかかったのだ(写真1)。標識はない。少し手前に平成30年の許可を示した同じタイプの罠があったが、それと同じなのか? 悪魔がいる。頑丈な長靴を履いていてよかった。 長靴から足を引き抜いてネジを緩めようとしたが、固くて手では回せない。ふとみると、悪魔(?)の忘れ物が・・・(写真2) トンカチでネジをコツンと叩くとネジが緩み、長靴を救出することができた。 天(?)の助け。 写真1 悪魔の罠 写真2 天の助け(○印)

「No.458 天の助けか悪魔の…」の続きを読む>>

No.457 山の中の小さな蛍光色(その2) ~キラキラブルーとエメラルドグリーン~

2024年08月02日

岸本真弓 今は紅葉の季節。山は到底表現仕切れないほどの多数の彩りで溢れています。 でも、そこかしこで動物たちも負けじと美しい色をはなっています。フォトブログNo.301でゴマフボクトクの幼虫の糞とウスタビガの繭を紹介しました。今回は対馬で出会った美しい色たちのご紹介です。 写真1はオキナワルリチラシ。どちらを表というのが正しいのかわかりませんが、伏せるようにして羽をひろげたときには見える前翅は抹茶色、羽を2枚合わせる様に綴じて立てた場合にはキラキラブルーになるようです。ただ、後翅は裏(?)も表(?)もキラキラブルー…

「No.457 山の中の小さな蛍…」の続きを読む>>

No.456 影の百名山

2024年07月05日

森洋佑 深田久弥が記した日本百名山は、多くの登山家が目指す頂として広く知られています。丹沢山は神奈川県では唯一の百名山で、都心にも近いので目指す人が多い山です。 しかし、丹沢山系の主峰(一番高い山)は実は丹沢山ではなくて蛭ヶ岳です。蛭ヶ岳は神奈川県の最高峰でもあります。そんなこともあり、本当の百名山は「丹沢山」ではなく「蛭ヶ岳」という意見もあったりなかったり。その意味では蛭ヶ岳は影の百名山といえるかもしれません。 そんな蛭ヶ岳にシカ調査に行ってきました。山頂にある蛭ヶ岳山荘に宿泊しての調査です。写真を見ても分かりま…

「No.456 影の百名山」の続きを読む>>

No.455 現地調達(その2)~考えることみんなおんなじ~

2024年06月17日

岸本真弓 フォトブログNo.330で、紀伊半島で見つけた現地調達の標識を紹介した。今回も同じものである。場所は紀伊半島から遠く離れたある離島。国有林の標識だろう。「山」と書かれた側(写真1で私が立っている側)が国有林外で、写真2で私が立っている側が国有林と思われる。ただ、林班を示す(?)数字はない。ふと横を見ると、立木にも「山」と書いてあった。ここまで残っているとそう古いものでもないのだろうか。古今東西みんな考えることは同じなのでしょう。現地調達が楽です。 写真1 写真2 写真3

「No.455 現地調達(その2…」の続きを読む>>

No.454 デベソ風な何か

2024年06月14日

海田明裕 山中を歩いていると神社や祠にいきあたるときがあります。 それなりに古くても地形図に載っているものが多いが、たまに随分昔に祀られなくなりほとんどお参りされなくなったように見えるものもあります。 覚悟していないので急にそういう場所にでると少し秘密めいていて、なんとなくすぐには立ち去りにくくしばらく見てしまいます。   先日いきあたった、屋根も崩れてしまっているような古い神社の傍に画像のような石仏が佇んでいました。   結構古そうではあるけれど、細かい造形がまだよく残っており、地衣類にもあま…

「No.454 デベソ風な何か」の続きを読む>>

No.453 アナグマは薄い

2024年06月05日

海田明裕 サルの群れを探して住民さんのお話を聞こうと民家の前で車を停めるスペースを探していたとき、お庭の中からヒョコタンヒョコタンと小走りにアナグマが出てきた。 あまりに庭先から普通に出てきたので、初めは飼い猫かなにかかと思った。 車を一瞥したように見えたが、変わらぬスピードで通りすぎ、スルリと舗装道路の表面に吸い込まれるように姿が消えた(ように見えた)。 ん、どこへ?と思い、見に行くと側溝の蓋の継ぎ目部分に持ち上げるとき用の隙間があり、どう考えてもこれしか側溝内に入る穴はない。 隙間はわずか3-センチ程。やや小さ…

「No.453 アナグマは薄い」の続きを読む>>

No.452 何が特別か教えてください、タヌキさん

2024年05月17日

岸本真弓 写真1の影が指さすところをみてください。 道路脇にタヌキのため糞があります。結構な量のため糞です(写真2)。何頭ものタヌキか、何回もの訪問かでこんなに溜まったのだと思います。道路のため糞側は刈り取られた田んぼ、左は山ですが、特に往来に適した場所ではないのです。でも、タヌキには意味があるのでしょうね。 写真1                        写真2 写真3

「No.452 何が特別か教えて…」の続きを読む>>

No.451 木も「服」を着ることが必要になる

2024年04月30日

姜 兆文 20年以上前から山を歩きながら、人間の関与によって自然環境の木々も「服」を着せる事が必要になってしまったと感じている(写真1~4)。昔から一部の人はペットに愛情を注ぐ一つの行為として、可愛く見せるために、服を着せてきた。しかし、山の木々に「服」を着せるようになったのは、ごく最近のことである。 様々な地域の山で、多様な素材とスタイルの木の「服」を見ることができる。ワンピースに相当するナイロンネット(写真1)、ポリエチレン網(写真2)、プラスチックネット(写真3)、デュポンシート(写真4)などがある。近年はネ…

「No.451 木も「服」を着る…」の続きを読む>>

No.450 クマ、冬眠穴を主張

2024年04月26日

姜兆文 秋の山を歩いていると、前方の巨木にクマの立派な冬眠穴を見つけた(写真1)。 写真1 巨樹にクマの冬眠穴 近づいて樹洞の内壁を覗き込むと、いたるところにクマの爪痕があり(写真2)、クマが使ったものだと確信した。 写真2 樹洞内部の様子と爪痕 木から離れ、右の幹を辿って木の先端を見ると、クマが手を挙げたような形をしていた。 まるでクマが「この木は俺の家だ!」と主張しているように思えて面白かった(写真3、4)。 写真3 クマが挙手? 写真4 掌に見える?

「No.450 クマ、冬眠穴を主…」の続きを読む>>

No.449 日不見

2024年03月29日

海老原寛   私の中でヒミズのイメージは、「突然道で死んでるやつ」というイメージが強いが、皆さんもそうではないだろうか。私たちが起きている時間には、その名の通り日不見は出てきづらく、動いている姿がよく見られるわけでもない。私も動いている姿は見たことがなかったのだが、この前初めて生きている姿を見た。とても忙しない。こんなに動くくせに、十分なエネルギーは確保できるのだろうか。土に潜らないのに、こんな地表面にどれほどのミミズがいるのだろうか。たった一瞬の出会いだったが、生きている姿を見ると、いろいろと考えさせら…

「No.449 日不見」の続きを読む>>

No.448 山の砂利沢に魚を発見!

2024年03月11日

姜 兆文 春に尾瀬ヶ原の湿原を囲む山を踏査したとき、森の中の乾いた砂利沢の真ん中に一匹のイワナを見つけ、驚いた。 私はなぜそこにイワナがいるのかを想像してみた。奇跡のように天から降ってきたのかもしれない(笑)が、それよりも、水位が急上昇したときに新天地を開拓するために上流に向かって泳いできたところ、水位が急降下して取り残された可能性の方が高い。 尾瀬湿原は水位が急激に変化するため、新しいエリアを探検しようとする魚は、取り残されないように注意しなければならない。 イワナに近づいて冷静に見ると、最期に懸命に水に口をつけ…

「No.448 山の砂利沢に魚を…」の続きを読む>>

No. 447 確信犯かおっちょこちょいか

2024年02月20日

海老原寛 調査で集落周辺を周回していると、箱わなを見つけた。 扉が落ちているようなので、少しのぞかせてもらうと・・・ なんとカラスが入ってしまっていました。 檻の餌を狙って、カラスが入ってしまうことがあるようですが、通常カラスに対しての許可は下りていないため、錯誤捕獲とされて放鳥されるはずです。 この個体がどうかはわかりませんが、放鳥されることを覚えて、檻の餌を狙ってわざと何度も入ってしまうこともあるようです(トラップハッピー)。 それにしても、カラスはヌカでいいのでしょうかね。

「No. 447 確信犯かおっち…」の続きを読む>>

No. 446 巨木にクマの立木冬眠穴

2024年02月09日

姜 兆文 早春の山を歩いていると、前方の巨木にクマの立派な立木冬眠穴を見つけた(写真1)。遠くからでも、穴の入り口の下の幹にはクマが出入りした痕跡がはっきりと見えた。好奇心がそそられた私は、クマが冬眠として使っていた詳細な状況を確認しようと、そっと近づいて見た。木肌についている新鮮な爪痕(写真2、3)から、この穴は今冬にでっかいクマに使われたことがわかった。 クマは冬眠から覚めた直後は活動が鈍く、冬眠穴の周囲の環境を利用する習性があり、また、再びその穴で休む可能性もある事を思い出し、穴の出入り口を注視しながら、息を…

「No. 446 巨木にクマの立…」の続きを読む>>

No. 445 ほお袋を持つシカ

2024年02月09日

姜 兆文 現地調査中、林道の両側の森を観察しながらゆっくりと車を走らせていると、突然、林道を横断するシカの群れと出会った。私はゆっくりと車を停め、車内から林道を渡るシカの様子を眺めていた。すると、最後の若メスと思われる1頭が林道沿いで立ち止まり、車のほうに視線を向けてきた(写真1)。 そのシカの頭部を見ると、顔の側面が膨らんでいることに気づき、面白いと思って、興味深く観察することにした。立ち止まったのはどんな気持ちのだろうか?車を警戒しているのだろうか?車に脅威を感じているのだろうか?・・・更に顔の膨らみについて思…

「No. 445 ほお袋を持つシ…」の続きを読む>>

No.444 フランスパンは硬くて好き

2024年01月22日

海老原寛   あー、山登ってきて疲れたな。 そろそろお昼だし、ちょっと休憩するか。 どっこいしょ。 今日はお昼ごはんに何買ったんだっけな? あぁ、そうだソーセージ入りフランスパン買ったんだった。 さぁ、食べよう。 いただきま・・・・あれ? 同じの2つも買ったっけな?

「No.444 フランスパンは硬…」の続きを読む>>

No.443 隠しご飯見つけた!

2024年01月04日

海田明裕 足を止め、進むべき方向の地形を確認しようと目線を上げたとき 斜め前にボロボロの枯木が立っていました。 穴だらけの幹の中に艶のあるものがチラリと見えた気がしてよく見ると 狭い空間にどんぐりが1つだけ挟まっていました。 上から落ちたものかと思いましたが、見上げた視界の中にはどんぐりをならす木は見当たりません。 隙間の狭さから想像するに、ネズミよりもカケスなどの鳥の仕業ではないかと思われましたが確信はありません。 隠し主がだれかは置いておいて、なんとなく他人の秘密を見てしまったような気持ちになりました。 このど…

「No.443 隠しご飯見つけた…」の続きを読む>>

ページの先頭へ