研究員によるフォトブログ

No.485 生き物の気配

2026年02月20日

ペンネーム:かんちゃん 昨年の夏、業務で岐阜県に行ってきました。 夏真っ盛りの森は、生き物の気配に満ち溢れていました。耳を澄ませばひっきりなしに鳥のさえずりが響き、足元ではカエルが跳ね、時にはアオダイショウが足元をすり抜けていきます。 車での移動中にはカモシカに道を通せんぼされたり、食事に夢中でこちらの存在に全く気づかないイノシシに遭遇したり……。そんな野生動物の姿を目の当たりにすると、思わず頬が緩んでカメラを向けてしまいます。 夏の調査は体力勝負な面もありますが、彼らのような森の住人に出会うと、不思議と疲れも吹き…

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No.484 土砂降りの岩場で、予期せぬ「VIP」と目が合いました

2026年02月06日

林航平 「なにもこんな日に…」と天を仰ぎたくなるほどの土砂降りでした。 今回の舞台は、紀伊半島の険しい山岳地帯。断崖のような急斜面と滑る岩場を前に、私は完全に「修行僧」の気分で、ターゲットである特別天然記念物「ニホンカモシカ」を追っていました。 息は上がり、全身ずぶ濡れ。心が折れかけたその時です。 ふと足元の岩陰で、余裕しゃくしゃくといった表情(?)で涼んでいる彼と目が合いました。 写真をご覧ください。このつややかな紫黒色のボディ。「オオダイガハラサンショウウオ」です。 私たちが血眼で探していた山の主(カモシカ)で…

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No.483 年越しそば

2026年01月30日

海老原寛 昨年の秋に、いつもお世話になっている外部協力員さんのそば畑の防護柵の設置に行きました。この地域にはサルはいないものの、シカやイノシシがいるため、そばが被害にあうことがあるそうです。材料はホームセンターで購入可能なもので揃えていただき、それを社員有志で工夫をしながら設置をしました。シカ用にネットを張り、イノシシ用に電気柵を設置するという構造としました。 無事にそばが咲き、そして実り、順調に収穫ができたとのことで、みんなでそば打ちをすることになりました。 そば打ち初体験の人も多く、教わりながらもみんなで何とか…

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No.482 親子グマがひと冬過ごした樹洞

2026年01月09日

中島彩季 前年度に装着したGPS首輪のデータを頼りに、有志で休日にクマの冬眠穴探しに行ってきました。 冬の間に測位データが集中していた場所を手分けして歩き回っていると、谷の中に樹洞のある大木(写真赤丸)を発見。 とても怪しい……… 写真1 あの大木が気になる(赤丸) 近づいてみると、谷の中のちょっとした平坦地にその大木が生えていました。 サイズ感がいい感じです。どんどん胸の高まりが大きくなっていきます。 写真2 冬眠穴の外観 樹洞の中は成人男性でもすっぽり入ることのできるサイズでした。 入り口には古いクマ糞が落ちて…

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No.481 キツネのイメージ

2025年12月26日

海田明裕 我が家には鶏小屋があります。小屋があっても以前は庭で放し飼いにしていました。 暗くなると自分らで小屋に戻るのですが、たまにうっかりして小屋の戸を閉め忘れ、獣にやられて悔しい思いをすることが何度かありました。犯人はアライグマのときもありましたが、多いのはキツネです。 大体は夜中にニワトリの叫び声で飛び起きサンダルで庭に走り出ますが、林に逃げ込む後ろ姿をチラッと見るだけで大抵は間に合いません。昔話に出てくる悪いキツネのイメージはよくできています。 ここは神戸市、とは言っても六甲山より北なので田園がひろがる地域…

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No.480 もってるぅ~!

2025年12月12日

三井夏紀 人生初のホエールウォッチングに行ってみた。 座間味村では自主ルールを設け、クジラにやさしいウォッチングを行っているため、たくさんのクジラが子供を育てに帰ってくる。 この日は、“メイティング”(繁殖期の行動で、オス同士が激しく争ったり、メスを追いかけたりする様子)が見られ、また“たっくわる”(沖縄の方言で、「寄り添う」「ひっつく」。 ホエールウォッチング船に近づいて来ること)もありました。 ほぼ2時間、 “きゃー”、“きたきたー”、“すごーい”、“おおきぃー”と叫ぶたまたま一緒になったツアーの女子たち。 初…

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No.479 カモシカの角発見!?

2025年11月28日

ヤマネ ある調査中、山を歩いていると、なんと!カモシカの角が落ちているじゃないですか! しかし、よく見ると… ん? 角じゃない?なんだこれは…? 裏返してみると、ただの木でした…。 それにしてもここまで似ているとは…だまされた…。

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No.478 朝の儀式?

2025年11月14日

海田明裕 早朝の山の中、今まで目にしたことのない風景に出遭いました。 木々に朝陽がさしています。 よく見ると一部の地面だけがぼんやりオレンジに照らされています。 手前の木の幹に反射した朝陽が地面を照らしている、ただそれだけではあるのですがこんな場面を初めて目にしました。 本来日陰である位置にある部分でもこんな風に照らされることがある。 考えてみれば当たり前のことですがなんだか静かな儀式を見たような、特別な気持ちになりました。

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No.477 森のダチョウ

2025年10月31日

尾根上を歩いていると、目の前にダチョウがいました。 皆さんにも見えるでしょうか? よく見ると抱卵しているようにも見えますね。 正体は矮性化したイヌツゲでした。(卵に見えたのは石) シカが枝葉を採食すると植物が刈り込まれて盆栽のような形状になり、シカの植物への影響を把握する指標となります。 このイヌツゲもギュギュっと高密度に枝葉が圧縮されており、シカの影響力の大きさを感じました。

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No.476 目の錯覚? ~シカの足跡~

2025年10月17日

ヤマネ 3点のものが集まったとき、時たま顔に見えることがありますよね? それを「シミュラクラ現象」と呼びます。 シミュラクラ現象とは少し違いますが、この仕事をしているとあるものを見たとき、動物の痕跡などに見えてしまうことがあるのです(え、ない…?)。 写真をご覧ください。 メーカー名の横のマーク、シカの足跡に見えませんか? これを撮影した日はシカの痕跡を探す調査をしていました。 偶蹄類の蹄痕は2本の線が残るのが特徴的ですが、このマークが少し似ている気がしました。 え、見えない?私だけ? 遠目に見てみてください。眼鏡…

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No.475 スダジイ界の玉井陸斗

2025年10月03日

岸本真弓 秋、山を歩いていたらスダジイの実がたくさん落ちていた。 おいしそうだなと夢中になって拾っていたら、玉井陸斗*がいた。 左右、前後ゆがみのない見事な体型で高い高い枝先から真っ直ぐに地面に飛び込んだ様子。 凡人(凡椎)はこの写真である。 玉井陸斗もその他大勢もおいしくいただきました。 胡麻煎り器で炙って食べると超美味 * 日本飛込界初の若きオリンピックメダリスト(パリ五輪銀)  

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No.474 電線の記憶「碍子(がいし)」

2025年08月15日

海田明裕 調査後、今は使う人もいないであろうただの窪みとなった古い山道を下山していると、道沿いの木の幹の低いところに点々と白いものが続いているのが見えました。 キノコにしては等間隔すぎる。 だんだんと近寄っていくとそれは碍子(がいし)であることがわかりました。 碍子とは磁器でできた筒状のもので、周囲に溝が一周しています。 電線を支柱に懸架する時に使われる部品で、支えるものとの絶縁を保つ役割があります。 碍子に電線を引っ掛けはするけれど磁器なので電気は支柱側には流れないわけです。 ただ、この碍子達は電柱に固定されてい…

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No.473 福島事業所は城だった!?

2025年08月08日

P.N. アライグマン 「福島県双葉郡浪江町大字権現堂字本城48-3」。 2024年に開所したWMO福島事業所の住所です。 ぶらぶら歩いていると、近くに城址があるという情報が…!! ということで、今回は福島事業所周辺の史跡のお話です。 図1. 権現堂城址周辺の図。国土地理院航空写真と国土数値情報を元に作図(等高線幅は1m)。 福島事業所から北に700mほど。 権現堂城の城址があります。 権現堂城は室町時代の標葉氏(しめはし・しねはし)のお城です。 北の相馬氏、南の岩城氏に挟まれバチバチしていたとか。 結局は相馬氏に…

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No.472 「歩く通行止め」~通せんぼザリガニ~

2025年07月18日

ヤマネ 山の調査では、土砂崩れや工事中などの影響で道が「通行止め」になっていることがよくある。 ある日の雨上がりの中、山へ向かう道中車を走らせていると、突如として立ちはだかるザリガニが現れた。 こちらを向いて通せんぼしているようだ。 面白かったので車を停めて近づいてみた。 近づくとさらに両手を広げて通行を妨げようとしてくる。「ここから先は言ってはダメ!」と言わんばかりに。 山の入り口によくある通行止め標識のついた赤いパイロンのようだった。これから彼を「歩く通行止め」と呼ぶことにした。 「でもごめんね。調査で先に行か…

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No.471 ササ藪耐性、つきました!

2025年07月10日

横山典子 今年、初めて島根県のシカの糞塊密度調査を受託して、全県を調査した。 島根県は、学生時代に島根半島のシカの調査をしていたので、ゆかりのある県だが、全県を歩いたことはなかった。島根のシカの分布は出雲大社の裏山になる島根半島弥山山地が昔からシカが生息しているところで、それ以外の地域はほとんどシカが生息していなかった。 予想はしていて、覚悟もしていたが、島根は藪が多かった。 特にササがすごい。 仕事柄、シカの多くいるところで仕事をするため、たいていササはシカに食べられていて、ササ藪に出遭うのはたまにであり、おみく…

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No.470 ツバメ救出作戦

2025年05月16日

ペンネーム アライグマン 5月はツバメがあちこちで飛んでいますね。番(つがい)で飛んでいたり、巣を作ったり。そんな中、1組の番が換気中の社屋に迷い込んでしまいました……!! ツバメ夫婦も「こりゃいかん」と思ったのか、なんとか陽の光が入る天窓から外に飛び立とうとしていました。しかし、開閉不可の天窓から出ることはできず… 天窓の下には玄関があって簡単に逃げられるのに、上へ上へ行こうとする… 写真1. 迷い込んでしまったツバメご夫妻 どうもこのままでは逃げ出せなそうだ…… ということで、「豊かな自然と感動を未来に、人と野…

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No.469 被害者の痕跡~スパイク長靴の弱点

2025年05月02日

岸本真弓 写真1は十数年前に私が骨折した場所だ。近づくと塩ビパイプが露出しており(写真2)、当時はもっと落ち葉が覆い被さっていたと思う。 写真1                            写真2 近づいてみると、いつも履いているスパイク長靴の爪痕が残っていた(写真3)。泥やざらざらの表土のホールド力の強いスパイク長靴も塩ビパイプや岩のようなつるつるした固い表面には弱いのだ。 注意、注意。 写真3

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No468 春はどこから?

2025年04月20日

森洋佑 3月から4月にかけて「桜前線が北上しています」というニュースをよく聞きます。 春は南からやって来て北に登っていきます。標高が高いほど気温が低くなる山の場合はどうでしょう。 ふつう春は山裾からやってきて山頂に向かって登っていきます。 そうした視点で見ると、この写真、少しおかしいと思いませんか? 山頂の方はまだ雪が多く残り冬の様相です。中腹は葉が展葉して緑に染まりつつあります。 しかし、、、山裾はまだ葉っぱが出ていなく、冬寒い茶色の枝が並んでいます。 もしかしたら、春は山の中腹からやってくるのでしょうか?? こ…

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No.467 猿田さん?

2025年04月09日

岸本真弓 穴からのぞく鼻らしきもの、誰でしょうか? 手塚治虫先生のお茶の水博士の裏キャラの猿田さん? そっと内側を覗いてみると、熊さんでした。 錯誤捕獲されたクマを放獣先に移動させるためのドラム缶ワナには、中の様子を確認できる穴が空いています。 もちろん、逆もオッケー。クマも外が気になるのです。

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No.466 春といえば・・・

2025年03月18日

森洋佑 春といえば、、、みなさんはどんなことを連想しますか? サクラ、お花見、入学式、人によっては花粉をイメージするかも知れません。 私はというと・・・やはり春の花が見たいと思ってしまいます。このフォトブログのNo.426では片倉城址公園にヤマブキソウを見に行った記事を書きました。 昨年2024年も同じく片倉城址公園に行ってきました。ただヤマブキソウが咲くより少し早い時期、お目当ての花は・・・ これです!カタクリですね。 やや終わりかけでしたが、まだまだ綺麗に咲いていました。

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