No.418 赤肉石
岸本真弓 2年前に初めて歩いた山で見つけて勝手に「赤肉石」と名付けた。写真だとわかりにくいのだが、本当に肉のようなのだ。白い筋があるところが、筋膜のような、細い血管のような、脂肪のような。 最近地質の勉強をしているという同僚に聞くと、チャートじゃないかとのこと。少し調べると赤チャートというものがあるらしい。この石たちがそうなのか、どうかわからないが、本当に肉そっくり。私には赤肉石という名がしっくりくる。
No.417 ビームライトを持つシカ
姜 自動撮影カメラ(動物の熱や動きを感知して、自動的に撮影するセンサー付きカメラ)を使って、シカのモニタリング調査を実施した。回収した写真を確認したところ、目から強いビームライトを放っているようなシカを発見し、驚いた。写真をよく見ると、同じようなシカが奥にもう1頭いた。 どうしてビームライトを放っているような写真が撮れたのだろうかと興味深かった。 写真下部の撮影情報によると、この写真は2020年11月21日午前3時9分29秒に撮影され、その時の気温は18.8度、月齢は約3日の新月だった。気象庁の過去の気象データを検…
No.416 紅葉
森洋佑 写真が上手くなりたいな、と頭の片隅で思いつつも勉強しないので数撃てば当たる方式でパシャパシャ×1000回くらい撮っています。そのくらい撮ると、1枚くらい当たりがあるようです。 写真は尾瀬への道すがら、戸倉から鳩待峠のあいだで撮ったヤマモミジです。雨に濡れて光っているのがまた艶やかです。ちなみにこの日、山頂付近は雪になっていました。
No.415 覆水盆に返らず
海老原寛 秋のいろは坂を通ったとき、「怖い」と感じたことがある。辺り一面がモミジの赤で満たされており、人はこれを美しいと言うだろうが、私にはとても大きな圧力に感じたのだ。赤や黄色や緑がモザイク状に入り交じった風景の方が、私は美しいと感じる。 でも、やはりスギヒノキ林は違う。パステルカラーのキャンバスにこぼしてしまった深緑は、あまりに異質である。濃い色を薄い色に戻すのはとても難しいだろう。
No.414 よくばりな痕跡
ペンネーム:ぺんぎん この木についた痕跡、3つありますが、何か分かりますか? <クマの爪痕> 正解です! この大きさは成獣でしょうかね。綺麗に爪痕が幹に刻まれています。 一番高いところに見える爪痕が長く伸びているところをみると、ツルツルしていて登りにくかったのでしょうか。 <イノシシのヌタ場> 正解です! 結構気に入っているのでしょうか。 幹全体に泥が付いていますし、ヌタ場の足跡もなかなかフレッシュなものでした。 最後、分かりますか…
No.413 ため糞山脈
岸本真弓 すでに気づかれているとは思うが、タヌキ好きが高じてため糞も好きだ。いろいろなタメ糞に遭遇してきた。その中で、私が珍奇なため糞と思っているもののひとつを紹介したい。 場所は紀伊半島。季節は初冬。 細い尾根上を樹木を回り込みながら5m以上続く。こんもりとした山がいくつもいくつも続く。まさに、ため糞山脈。 山脈をつくりだすひとつひとつの山の所有は個狸か? それともすべてが多狸数の合作か? ため糞山脈の謎は深い。 山脈の始まり(杖は全長130cm) 曲がった先にもまだ続く ため糞山に目を寄せると、向こうの山…
No.412 恐竜の卵の化石を発見!
姜兆文 数人の調査員が同時に入山し、無線かラインで連絡しながら別々に二ホンジカの糞塊調査を行った。糞塊調査とは、山の尾根を歩きながら、シカの糞の塊を確認して数えることで、シカの生息密度を把握する方法である。 標高700メートルくらいまで登っていくと、突然、楕円体の石が目に入ってきた(写真1,2)。卵の殻のようなものが剥がれたので(写真3、4)、見つけた瞬間、『これは恐竜の卵ではないか!』と思った。 そこで調査員のライングループに「恐竜の卵を見つけた!」と報告すると、「マジっすか!目玉焼きにしましょう!」と返事が返っ…
No.411 キンコウカ満開
森洋佑 尾瀬沼に行ってきました。シカの業務では調査地周辺を踏査して、シカの痕跡が多い場所を探すという仕事もあります。湿原を見ていると、ポツポツとシカの寝床があることが分かります。もちろん、それは記録に残すのですが、、、 写真1 草原に残るシカの寝床 今年はキンコウカが満開でした。しばし痕跡調査を忘れて見とれてしまいます。 写真2 咲き誇るキンコウカ 写真3 沼尻の木道から見たキンコウカの黄色カーペット
No.410 牛山羊羊馬鹿
海老原寛 獣害防止のために、農地周辺の「下刈り」をしましょうとはいいつつ、やっぱり労力は大きい。そこで最近、ヤギやウシに草刈りをしてもらう「舌刈り」活動が増えている。地域を回っていると、私もヤギやウシやヒツジをときどき見かけるが、どいつが一番舌刈り効果的なのだろう?ちょこっと調べてみると、ウシは木本の葉を食べないために、残ってしまう木が多いらしい。その意味では、木の葉を食べる上に樹皮まで食べて枯らせてしまうヤギの方が、全体の草量は減るらしい。ただ、ウシの方が踏み荒らしによるワラビなどの不嗜好性植物を減少させる効果は…
No.409 親の心・・・
親の心・・・ 森洋佑 このフォトブログは外勤の写真が多いですが、内勤時の生態についても紹介できたらと思い投稿します。 最近、内勤が中心になるときはお昼休憩に事務所周辺のテイクアウト弁当を探し歩くことが日課になっています。 そんな折、キョロキョロしながら歩いていたらカラスのコッコに出会いました。 もう巣立ちしているみたいです。コッコは飛ぶのが億劫なのか私が近くにいても地上をテケテケあるいてエサを探していました。すぐ隣には親鳥が張り付いて警戒の鳴き声を発しています。親の心、子知らずですね。 写真1 やっとコッコが飛び立…
No.408 エビネに出会う
森 洋佑 WMOでは新入社員が安全に山を歩けるように、毎年春に山歩き&地図読み実習を実施しています。その中で山歩きのコツやコンパスの使い方をレクチャーします。 今年は私もコーチ役として地図読み実習に参加しました。 写真1 地形を読みながらコンパスを合わせる ほんらい、業務で山を歩くのは秋以降が多いので、春のこの時期に山に入ると行き慣れた山でも全く違った景色が見られます。 今日はエビネの花を見つけました。 写真2 2株並んだ大きなエビネ エビネはランの一種で、神奈川県では絶滅危惧Ⅱ類になっています。確かに数は少ないの…
No.407 『わに』~同じ視点・感点のうれしさ~
岸本真弓 ぺんぎんさんの『No.406 山にワニがいた』は私の『No.313 龍か和邇か、いえ烏です。』と同じものを見たブログです。同じルートを、目的を変え、年を変えて歩くので、こういうことがおこります。 No.406ペンギンさんの写真 No.313の写真 同じルートを歩いた人が全て同じものに気づいて、同じようにびっくりして、同じように感じるかはわかりません。でも、そういう人が同じ会社にいるってこと、とても嬉しく思うのです。
No.406 山にワニがいた
ペンネーム ぺんぎん この日もいつものように痕跡調査で山を歩いていたところ、ふと目線を上げたらギョッとした。 思わず「ひっ」と声が出てしまった。 巨大なワニ?! 左に延びる細い根っこがまるで前肢のようだ。 なによりコルク状にボコボコした表面がワニの皮膚のようで妙にリアルである。 にゅっと伸びている感じも胴体のようだ。 しかも何だかお腹が膨れているようにも見える。 そういえば、いつだったか大阪市立自然史博物館に遊びに行った時に立ち寄った太古の生き物の展示コーナーで、かつて大阪にもナウマンゾウがいたということを知ってと…
No.405 雪の木陰
海田明裕 重いザックを背負い冬の山中、吐く息は白い。 動いていないとつま先が痛い。 早朝に雪がちらつき林内にもうっすら雪が残っていた。 ただすぐにやんだようで今はつかの間、葉の落ちた林に日が差している。 ちょっと不思議な曲線が目にとまった。 木陰の部分だけに雪が残り、あとは太陽の熱ですでに溶けて落ち葉が見えている。 木の幹の形に雪が残り、雪でできた木陰にみえた。 30分後、再び通過したらもうあれほどには形が残っていませんでした。 はかない景色。
No.404 美しい季節外れ
姜兆文 山でのシカの調査を終え、仲間と下山する途中、美しい紅葉を目にした(写真1)。12月23日というクリスマスイブ前日の遅い時期にもかかわらず、この場所で、こんなにきれいな紅葉を見ることができるなんて!と、嬉しかった。 だが、この季節外れの鮮やかで美しい紅葉を見たことで、世界中で気温の上昇、集中豪雨、記録的な大雪、更に12月12日にアメリカ南部を襲った巨大ハリケーンなど一連の異常気象による甚大な自然災害をもたらしたことが思い出された。 そして、この美しい季節外れた紅葉の裏に自然が人間の環境破壊に対す…
No.403 冬の富士山
森洋佑 晩秋から初冬にかけて、糞塊密度調査の季節ですね。雪が降ってしまうと調査できなくなってしまうので、それまでの勝負です。 キンと冷えた早朝、まだ月の光が残る中、調査地に向かいます。富士山山頂では強い風が吹いているようで雪が舞って雲のようになっています。 今日みたいに朝冷えるときは、日中は綺麗に晴れることが多いです。今日のコースは箱根外輪山の稜線歩きコースでした。ずっと右手に富士山を見ながらの糞塊密度調査。贅沢だなぁ、、、と思いながら歩いていました。
No.402 WMOの社窓から ~冬~
岸本真弓 今日は暖かく、湿度が高い。朝は霧が重く垂れ込めイネ科草本の枯れ葉の赤みが湿気で深くなっている(写真1)。 目を移せば、今年は川沿いの畝で冬葉物野菜がもっさり実っている(写真2)。春野菜は真ん中あたりで準備中(写真3)。いつも仲良く熱心なこの畑のご夫婦、今はいらっしゃらないようだ。 関西支社のある部屋からの風景です。 写真1 写真2 写真3
No.401 大きなシカ
久門 美月 山によく行くので、普通の人よりは野生動物を目にすることが多い。 とある日、林道を運転していると、とても大きなシカがいた。 …?張りぼてのシカ? 何の目的で作られたのか全く分からないが、突然出てきたので驚いた。 眼は怖いが、花柄のスカートをはいていた。
No.400 森の住人
中島 彩季 調査中ふと足元に目をやると、ひっそり佇んでこちらを見上げていた。 何頭ものシカに出会ったが、もしかしたらあの神様もいたのかもしれない。そう思うとちょっとワクワクした。 (※よく見たらキノコでした)
No.399 季節の錯綜だ!
姜兆文 蜻蛉、蝶々!木の春芽!!同じ日に次々と目にし、これは季節の錯綜だ。 2021年1月16日午後1時頃、住宅地を散歩した際の出来事だ。予想気温は19℃とされていたが、実際の気温は20℃を超えたと思う。ぽかぽか陽気の中散策していた人が多かった。 散策中、突然青色の小さい蜻蛉を目にし、その後黄色い蝶々が舞っていたことに驚いた。ふと木の枝を見ると、そこには春芽が!(写真1-1、蜻蛉と蝶々の写真が撮れなくて残念だ)。 前日、最低気温が氷点下4℃だったので、人はまだ冬の最中と認識しているが、動物たちは春の到…