研究員によるフォトブログ

No.424 丸い石は数千万年前の地層の証明

2023年05月11日

ニホンジカの調査のため、山の稜線に沿って登っていく。平坦な場所に出て、麓の集落を見ると、その向こうに美しい富士山が見えた(写真1)。 富士山を見た瞬間、ふと今登っている山が昨日調査した青木ヶ原樹海周辺より数千万年古いことを思い出した。

青木ヶ原樹海は864年から866年にかけての貞観噴火で噴出した溶岩の上にできた1,300年未満の地層の上にできた森である。一方、私の足元の山は第三紀(6,500万年から170万年前)の天子山地の一部であり、長い年月をかけて北米プレートとフィリピン海プレートの衝突によって隆起した古い地層である。

さらに山を登っていくと、丸い石を次々と発見した(写真2)。この丸い石は、長い年月をかけて、流れる水の摩擦でできたもので、この山が数千万 年前に川の中や海底にあったことを証明していると思った。

 

写真1.尾根から見た集落と富士山

 

写真2.発見した卵状石数種

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