No.473 福島事業所は城だった!?
P.N. アライグマン
「福島県双葉郡浪江町大字権現堂字本城48-3」。
2024年に開所したWMO福島事業所の住所です。
ぶらぶら歩いていると、近くに城址があるという情報が…!!
ということで、今回は福島事業所周辺の史跡のお話です。
図1. 権現堂城址周辺の図。国土地理院航空写真と国土数値情報を元に作図(等高線幅は1m)。
福島事業所から北に700mほど。
権現堂城の城址があります。
権現堂城は室町時代の標葉氏(しめはし・しねはし)のお城です。
北の相馬氏、南の岩城氏に挟まれバチバチしていたとか。
結局は相馬氏に滅ぼされてしまうわけですが、権現堂城は南を川に、東と南北の三方を崖に守られていて防御に向いた山城だったそうです。
確かに等高線見ると攻めにくそうですね。
仕事前、ランニングがてらちょっと城址に行ってみました。
南東から見ると、小高い山になっていました。
でも外から見ると普通の山と全く変わらないですね。
写真2. 権現堂城本曲輪址の雷神社。出羽権現を祀っていることから権現堂城というらしい。
本曲輪址には神社がありました。
神社をみると、アライグマ・ハクビシンの爪痕がないか探してしまうのが、この職のサガですね。
結構古そうなアライグマ特有の爪痕が見られました。
福島県のアライグマ分布は浜通り(海側)で多く、中通り(中央)や会津(西)に拡大中だと考えられています。
ここ浪江町は福島県の中でもアライグマが比較的昔から生息していたと考えられますが、権現堂城址のアライグマ痕跡はその推測を支持していますね。
写真3. 権現堂城本曲輪址の雷神社の柱につくアライグマの爪痕。
実は、権現堂城、最初からこの山にあったわけではないそうです。元々はこの権現堂城の南700mに平城「本城館」があったんだとか。
700 m………
本城館……
『福島事業所:浪江町大字権現堂字本城48-3』!!!
どうやら福島事業所は本城館の跡地に建っているようです…!!!
地域の歴史を知ると、どんどん地域が好きになりますね…!!
城址は結構構造物が残っているみたいですし、近くには幕末の石碑もあるみたいなので今度また掘り下げてみようと思います~!!
写真4. 近隣の恵比須神社で痕跡を調査するWMO職員。
この神社は権現堂城主の家臣・藤橋氏の館(藤橋館)の跡地に建っており、やはりアライグマの爪痕が残されていた。
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