No.451 木も「服」を着ることが必要になる
2024年04月30日
姜 兆文
20年以上前から山を歩きながら、人間の関与によって自然環境の木々も「服」を着せる事が必要になってしまったと感じている(写真1~4)。昔から一部の人はペットに愛情を注ぐ一つの行為として、可愛く見せるために、服を着せてきた。しかし、山の木々に「服」を着せるようになったのは、ごく最近のことである。
様々な地域の山で、多様な素材とスタイルの木の「服」を見ることができる。ワンピースに相当するナイロンネット(写真1)、ポリエチレン網(写真2)、プラスチックネット(写真3)、デュポンシート(写真4)などがある。近年はネクタイ(写真5)、襟バンド(写真6)、ネックレス縄式(写真7)も登場し、バラエティに富んでいる。木の「服」のさらなる進化を楽しみたい。
一般の人は、何故木に「服」を着せるのか不思議に思うかもしれないが、林業や動物調査に携わる人たちにとっては当たり前のことである。結論から言うと、木に「服」を着せるのはペットに対する気持ちと同じで愛情を注いでいるためであるが、見た目をきれいにするためではない。シカとクマによる樹皮剝皮の食害を防ぐためである。
表面的には人間は動物に食べられないように樹木を保護している行為は、より深く考えれば、これは長年にわたる人間の一方的な経済活動によって引き起こされた自然生態系のバランスが崩れた結果に由来するものなのである。
写真1 ナイロンネット 写真2 ポリエチレン網
写真3 プラスチックネット 写真4 デュポンシート
写真5 ネクタイ式 写真6 首バンド式
写真7 ネックレス式
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