研究員によるフォトブログ

No.436 尾瀬の春の異変

2023年09月14日

2013年に調査の為に尾瀬ヶ原を訪れ始めてから11年が経つ中で、今回初めてゴールデンウイークに訪れました。5月3日にもかかわらず尾瀬ヶ原の湿原にはほとんど雪が残っておらず(写真1、2)、今までに無く雪解けが早いことに驚きました。

尾瀬を訪れた他の人々は、この時期に水芭蕉(写真3)を見ることができ嬉しかったと思いますが、私はこのような早い時期に水芭蕉を見られたことに、とても不安を感じました。

雪解けが異常に早いのは、各年の気象条件の違い(例えば冬季の積雪量など)によるものもあるかもしれませんが、私自身、11年前から年々徐々に雪解けが早くなっている事を実感しており、そのことは地球温暖化の現象の一つであることは否めないと思っています。

集中豪雨や線状降水帯など、異常気象という言葉を日常的に耳にし、それによる土砂災害などの気象災害が心配になります。美しい水芭蕉を早く見られる喜びよりも、地球温暖化による環境問題の方が気になり、何とも言えず複雑な心境になりました。

 

写真1 尾瀬ヶ原と燧ヶ岳

 

写真2 尾瀬ヶ原と至仏山

 

写真3 尾瀬ヶ原の水芭蕉

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