研究員によるフォトブログ

No.81 朽ち木の中の貴重な一枚

2009年10月09日

岸本 真弓 2008年4月鳥取県の山中を歩く。どこからかネコのアカンボウのようなミュウミュウという声がする。 声の源を探し周囲をグルグル歩くと、朽ち木からテンが飛び出してきた。とすると、この声はテンの赤ちゃん!  朽ち木の周りを這いつくばって見て回り、声の主を発見。赤ちゃんを驚かせないように、お母さんを怒らせないように急いで数枚の写真を撮らせてもらった。朽ち木にできた穴の中だったので、手を入れて見ないでの撮影だ。 1枚それとわかる写真が撮れていた。まだ目も開いておらず、産毛も生え始めたばかりの新生子。ほどなく戻って…

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NO.80 枝の付け根

2009年10月08日

岸本 真弓 徳島にて、枝の折れた木を見た。 枝の付け根ってこんな風になっているのか。ねじ込み式みたい。 20091008_2009.10.8.jpg

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No.79 「これなんだ?」

2009年09月14日

本多 響子 植物の実?マメ? クマの血液を吸ってお腹いっぱいのダニです。その大きさは2.5センチ超! 20090914_2009.9.jpg

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No.78 今生の別れ

2009年08月25日

加藤 洋  近年増加するニホンザルによる被害。有害鳥獣捕獲により、毎年何頭ものサルが捕獲されている。有害捕獲檻で捕まった子ザル。その家族であろうか、若いメスザルと、彼らの母と思わしきメスザルが、檻のそばから離れず別れを惜しんでいる。捕まってしまった我が子の末路を知っているのだろうか。 やがて、群れの本隊は移動をはじめた。このメスザルたちも、いよいよこの場を離れなくてはならなかったのである。 20090825_2010.8.25.JPG

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No.77 カッパの正体

2009年08月18日

岡野 美佐夫  写真は、とうとう御用となった河童、ではありません。そのようなもののけではなく、けもの、二ホンザルです。 7月はちょうど毛替わりの時期で、ようやく冬毛の厚いコードを脱ぎ、短い栗色の夏毛が姿を現しました。人の衣替えよりひと月以上遅いですね。 どういうわけか二ホンザルの場合、頭頂部から抜けることが多いので、毛替わりの始めの時期にはかっぱのように見えます。冬毛がすべて抜けると、角刈りのお兄さんという感じです。毛替わりのタイミングは栄養状態に左右されるとかで、アカンボウを産んだメスは、皆が夏服に着替えた後もし…

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No.76 クマなのに鯨飲馬食これいかに?

2009年07月29日

片山 敦司  飲食の量がはなはだ多いことを「鯨飲馬食」と言います。クジラやウマが本当に暴飲暴食をしているのかどうかは別にして、大きな動物が飲食をする様子は迫力がありますよね。 さて、我らがクマ。我々はクマが大量に水を飲む場面によく立会います。 写真はククリワナに錯誤捕獲された後、わなから解放され、移動用檻の中で放獣を待っているクマです。この個体のように夏場に錯誤捕獲されたクマは水を与えると良く飲みます。(写真は、ドラム缶檻の小さな穴からペットボトルに入れた水を流し込んでいる様子です) 何となくのどかな光景にも見えま…

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No.75 「サクラサク調査」

2009年07月09日

本多 響子 今年の春も様々な調査地に行きました。どこに行っても桜の花が見事に咲いているので、調査で遠出する楽しみの一つとなります。様々な場所で満開の桜の花を見ましたのでご紹介いたします。 淡いピンク色のソメイヨシノ(左下:京都福知山にて4月上旬撮影) 白色のオオシマザクラ(左上:伊豆大島にて3月上旬撮影) 少し濃いピンク色のカワヅザクラ(右上:伊豆半島にて2月下旬撮影) 右下の写真は丹沢で2月上旬に撮影したサクラの仲間です。 寒空の下咲いていた桜に感動しました。 さて、何ザクラでしょうか? 花や葉は他のサクラに比べ…

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No.74 山で見つけたおかしなもの−090413鳥取−

2009年06月16日

岸本 真弓 業務上必要ではない写真をとりたくなる時。それは、わからないものを見つけた時、美しいものを見つけた時、おかしなものを見つけた時。忘れないでおきたい時、人に見せたい時。この日のそれはこの2点。大地のパックとタヌキタメ糞の灯。 20090616_2009.6.16.jpg

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No.73 仕事の道具(その5)~ホームセンターはユビキタス世界~

2009年06月09日

片山 敦司 駆血帯は静脈の環流を妨げて鬱血させる道具で、私たちが健康診断で採血してもらう時にもよく目にするものだ。動物からの採血、静脈注射を行う際に駆血が必要な場合が多い。 今ならば駆血帯程度の医療用具はインターネット通販などで廉価に購入できる。でも、10年ほど昔は田舎に住んでいると、ちょっとした買い物でも専門業者を通じなければならず、時間もコストかかった。駆血帯が切れて使えなくなった時に私が愛用したのが、「網戸の網押さえゴム」であった。ゴムチューブでも良いのだが、網押さえゴムならば大抵のホームセンターでも売ってい…

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No.72 猿だるま

2009年06月01日

山元 得江  降雪量の少ない地域では、土で茶色に染まっている雪だるまをよく見かける。この写真のだるまも茶色。しかし、たまに動いて、ちらりとこちらを見る。 このだるまは、首輪型の発信機をつけられて、徐々に麻酔から覚醒してきているサルである。このときは気温が低く寒かったので、サルは体を丸めて体温が奪われないように雪だるまみたいな格好をしていた。お湯を入れたペットボトルを足元に入れてあげたが、その暖かさを感じてくれているのかいないのか・・・。そのうち麻酔から覚めて、木の上に登っていった。 20090601_2009060…

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No.71 雪景の黒い影

2009年05月26日

清野 紘典 12月初旬、京都府丹後半島。 錯誤捕獲されたクマを山に放しにいく道程、日も傾きかけた頃、眼前に広がる白銀の世界に一筋の黒い影が走る。 クマか、否、そのシルエットは・・・猪だ。 50kgはゆうに越すであろう猪が雪原をひた走る。 猪の生息分布は積雪量により制限されるが、積雪下でたくましく生きるその姿を垣間見た瞬間である。 <写真提供:芝原氏> 20090526_2009.5.26.jpg

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No.70 再会

2009年05月19日

岸本 真弓  2008年秋、例年通り滋賀県のシカ糞塊密度調査を行った。多くが毎年自分が行っているコースだ。おきまりの場所に車をとめる。リアハッチを開けて長靴を取り出し、地面に置いた。 !!!!! そこには、1年前私がここに置き去りにした杖が!!! そうっと持ち上げ目を近づけると数字が残っている。紛れもない、あのときの私の伴侶。待っていたのか、一年間・・・ (調査雑記No.44ご参照ください) 20090519_2009.5.19.jpg

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No.69 でべそのサル

2009年05月13日

佐伯 真美    写真は昨年6月に捕獲したニホンザルのメスと今年の2月に本社のOさんが捕獲したニホンザルのメスです。 2頭とも腹部には大きな「でべそ」があります。「でべそ」といえば、何故か昔のアニメの登場人物には「でべそ」の人が結構いたように思いますが、最近はとんと見なくなったような気がします。 この「でべそ」は、正しくは「臍ヘルニア」と言うのですが、これはへそ(臍)の部分で腹腔内臓器の一部が皮下に脱出している状態をさします。人間でもおへその周りの筋肉がまだ弱い生後2週間から1ヶ月頃の赤ちゃんにはよく見られる症状の…

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N0.68 容疑者確保

2009年05月07日

加藤 洋  ニホンザルの個体数調査。相手は野生動物、カウントチャンスはいつ来るか分らない。時には寒い野外でひたすら時を待つことがある。完璧な防寒対策、双眼鏡、無線機・・・我々フィールドワーカーにとっては至って自然な格好であり、装備にはプロとしてのこだわりさえ持っている。ただ、町の中では単に怪しい人である。こうして、研究員S氏はあえなく御用となったのでした(もちろん簡単な職務質問で済み、この後速やかに解放されました)。 我々を見かけたときは、近くに何らかの野生動物がいる可能性が高いので、そちらのほうを警戒して頂けたら…

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No.67 シカ角いろいろ

2009年04月27日

横山 典子 一番左の頭骨付は、ヤクシカ。これはK氏が屋久島旅行に行った際に猟師からいただいたもの。 その隣は、鳥取県で拾った物。その隣は福井、そのまた隣は滋賀。一番右は淡路島。 基本的に北に行くほど角は大きくなる傾向があるのだが、鳥取の角はずば抜けて大きい。これは鳥取市北部で拾ったもので、ここはシカの分布が最近拡大した地域で、餌が豊富だからか、狩猟圧が低いために大きなシカが生き延びているのか、そのあたりはよく分からない。 角の大きさは、地域差がもちろんあるが、個体差もある。大きい角があるはずの地域で小さい角を見つけ…

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No.66 凍結標本発見!?

2009年04月20日

吉田 淳久 いえ、生きています。1月の終わりに、水辺の雪原を歩いていて発見したヤマアカガエルです。繁殖期は通常2月~6月なので、繁殖のために動き出したのでしょう。しかし、埋まっています・・・。雪面に歩いた跡はなく、体の形に氷が窪んでいることからすると、かなりの時間じっとしていたようです。お腹冷やさないようにね。 20090420_zakki66.jpg

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No.65 数を数える虫を探せ!

2009年04月14日

山元 得江  シカの調査でY県の山の中を歩いていた。終わりが見えてきたので、腰を下ろして休憩することにした。水分を補給しながら、近くにある落葉を眺めていた。  すると・・・自然界では目にすることがないであろう「5」という数字が目に飛び込んできた。なぜ山の中の落葉に「5」と書いてあるのか。誰が書いたのだろうと、その落葉を拾い上げてみると、なぞが解けた。「5」という数字は虫が葉を食べながら書いたのだ。数を数えられる虫がいたら大発見だな、と思いながら1や2、3などの数字が他の落葉に書かれてないか探した。案の定、辺りに他の…

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No.64 サルの鯱

2009年04月08日

清野 紘典 12月、霜が降りた早朝、車通りの多い国道を走っていると鯱(しゃちほこ)のある家をみつけた。 遠目で丸い形をしている珍しい鯱だと思い、双眼鏡を覗くと・・・それはサルだった。 見事に屋根の両端で対面座した2頭のサル。暁の空のもと瓦に鎮座している。 こちらが近づくと鯱たちはからからと瓦を鳴らして足早に逃げ去っていった。 地元の方々にとって、この鯱たちは生活被害以外の何ものでもない。 瓦が落ちる、ベランダに糞尿が、屋根がうるさくて寝られない・・・。 町の風景に不似合いな鯱の姿は、今一度人と野生動物の関係を考える…

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No.63 冬の終わり

2009年04月02日

山田 雄作 先日、盛岡のカモシカ調査へいってきた。  といっても一ヶ月ほど前で雪がほとんど積もっていないはずだったが、ちょうど前日にヒザ上まで、場所によっては腰下までの雪が降った。  ということは当然ラッセル・・・  寒さもヒザの痛みも、写真のような動物の痕跡に出会えるだけで報われる。  写真は目当てのカモシカの足跡と糞です。 20090402_zakki63.jpg

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No.62 ミクロの戦い

2009年03月09日

湯浅 卓  調査雑記には、山で出会った動物か、きれいな景色のベストショットでも載せたいと思いつつも、かれこれ6ヶ月も室内に籠もりきりの私には、そんな写真を撮るチャンスさえ無く・・・   そこで今回は、趣向を変えて、実験室でのミクロの戦いの様子を少しお届けします。  上の写真は、2本のツキノワグマの毛の付け根部分、いわゆる毛根部分を、顕微鏡で拡大した写真です。この2本の毛は同じクマから抜けたものでしょうか?それとも2個体から抜けたものでしょうか?  この6ヶ月、私は、こうした毛からクマを識別すべくミクロの戦いをつづけ…

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