NO.101 カワウの落し物
金子 文大 先日、琵琶湖に突き出ているI半島に、カワウの営巣数調査に行ってきました。その日はまだ5月だというのにとても暑く、営巣地に近づくと、林の中は、強烈なカワウの糞の匂いでムッとしました。 強烈な匂いの中、上から降ってくるかもしれないカワウの糞に注意しながら、調査しているとふいにドサッと足元の枯葉の上に何かが降ってきました。じっと目を凝らしてみると、その正体はカワウが吐き出したであろうアユでした。アユなどの魚を食べてしまう「食害」や糞による営巣地周辺の樹木が枯れる「糞害」が、増えすぎたカワウによる主な被害と…
NO.100 高さ214cm
岸本 真弓 鳥取の南東部の山。イノシシの調査だったのだが、やたらシカの痕跡が目立つ。それも樹皮食い。えらく高いところまで皮剝かれた木を発見。メジャーを当ててみると214cm。 シカの口が届くところまでの下枝や下草がなくなる高さをディアライン(ブラウジングライン)というが、その高さは大台ヶ原でおよそ160cm。高さ214cmの樹皮食いを私は初めて見た。どうしても欲しくて2本足で食べたか(フォトブログ No.17参照)、積雪で地面が上ったか。シカにとってはおいしさゆえか、厳しさゆえかわからないが、植物…
NO.99 厳しい冬
加藤 洋 3月。ニホンジカの越冬地内を調査中、足元がおぼつかないオスジカに出会った。しかし、体力の限界か、流れに飲み込まれてしまった。 様々な野生動物にとって、冬期は餌資源が少なく、とても厳しい季節だ。越冬地にたどり着いた彼らも、春が訪れるまでギリギリの生活をしているのだろう。その後下流で水死体が見つかった。彼も春が待ち遠しかったに違いない。 20100609_kibisiifuyu.jpg
NO.98 サル怒りのボルテージ(全身編)
清野 紘典 「サル怒りのボルテージ(顔編)」と見比べて下さい。 4)ともなると一般的な成人男性のほとんどは逃げ腰になります。 ※野外でサルに威嚇されても走って逃げないで下さい。ひっかかれたり、噛み付かれるため危険です。ゆっくり後ずさりしてその場を離れましょう。 20100607_b.jpg
NO.97 サル怒りのボルテージ(顔編)
清野 紘典 写真は筆者に対して怒りを顕にしている1頭のサルの表情です。 どの表情がもっともサルの怒りを感じるでしょうか。 20100604_2010.6.4.jpg
NO.96 虫の襲撃
山元 得江 車を林道脇に止めて調査を行い、車に戻ってきたときのことです。タイヤやエンジン近くのボンネットに何かがたくさん張り付いていました。1本のタイヤに最低でも20匹。ボンネットの上などにも約20匹。見えているだけで車1台に100匹はいました。カメムシに車が襲撃されているかのようです。 このまま車を走らせると確実に踏み潰してカメムシ臭に包まれてしまうので、木の枝を使ってカメムシを刺激しないようにそぉーと払いのけました。この作戦は成功し、カメムシを踏み潰さずに移動できました。 カメムシは寒くなると暖かい人家に…
NO.95 藪漕ぎジョニー
小林 健人 車で近付くやいなや睨みをきかせてきた湘南ボーイ。 間近だと恐い威嚇の姿勢も、あとで写真を見るとサーファーのようなポーズだったりして。 20100531_2010.5.312jpg.jpg
NO.94 アフロジカ
加藤 洋 頭に草やらコケやらを乗せて歩くオスジカ。魅力的なファッション。モテモテに違いない。 20100528_2010.5.28.JPG
NO.93 タンポポ
岸本真弓 春になれば道ばたや畦にタンポポが咲く。幼い頃、ポケットや髪に飾ったり、花を首飾りにしたり、茎を笛にしたり。うららかな陽気にぴったりな、明るく楽しい自然の遊具だった。 今年春、京都府旧夜久野町でアスファルトの道と田んぼのコンクリート堤の隙間にタンポポを見つけた。ガードレールに負けない白い花。シロバナタンポポだ。首飾りを作った無邪気な時代から40年。もう私は摘むことはしない。ましてやシロバナタンポポなら、絶対に。 タンポポも在来種が外来種に押され、姿を消しつつあることは有名な話だ。荒れた土地でも半年もあ…
NO.92 そんなことで大丈夫???
横山 典子 アスファルトの道路の向こうに何やら動くものがいた。双眼鏡でのぞくとアナグマだった。どうせ逃げられてしまうと思いつつ、カメラを持って車を降りた。 全くアナグマは私に気付かずどんどんやってくる。途中何度も顔を上げていたが、約20m先にいた私にはほとんど注意を払わず、落ち葉に顔を突っ込みながらどんどんやってくる。 7mくらいの所まで来てようやく気付いて、こちらをじっと見つめているが、うまく事態を飲み込めないらしい。頭に落ち葉をくっつけたままこちらをぼんやり見ている。 だんだん私に焦点が合ってきたのか、…
NO.91 花のような葉
岸本 真弓 春の山はうきうき歩く。新しい季節の到来を草木が体現している。 常緑樹も落葉樹も新しい葉を出す。その中には花かと思うほど色鮮やかなものがある。 20100519_2010.5.19.jpg
NO.90 愛の劇場
加藤 洋 1.♡ ♡ ♡ 2.!? 3.※◎☀★♡↑♨~!! 20100511_2010.5.11.JPG
NO.89 嫌われ三兄弟
岸本 真弓 滋賀県東部の山。一面ユズリハが覆っている(写真上)。 しばらく行くとアセビ、マツカゼソウ、ユズリハが一堂に会していた(写真下)。この3種はシカの代表的な忌避植物である。シカが増えてくると、シカが食べない植物のみが繁茂してくる。それを調べてシカの累積利用圧を推測するという調査もある。 20100506_2010.5.6.jpg
NO.88 春の谷川
岸本 真弓 は〜るの小川はさらさらゆくよ〜♪ ラジオから小学校唱歌「春の小川」が流れ、やはり胸の奥がチクリとした。転校してまもない3年生の春、なじめない学校で初めてならった曲。教室から離れた最上階にあった音楽室から1.5kmの田んぼを越えて自分家が見えた。帰りたいと家を見ながらこの曲を歌った。あれからもう40年近く経つのにやはりこの曲はトラウマだ。 そんなことを考えながら調査地入り。ひとりイノシシの痕跡を探しながら一山越えて降りてきたところには、陽光を浴びて水しぶききらめく谷川が。こ…
NO.87 親子の紋章
片山 敦司 2009年の秋はドングリが豊作で、関西圏でのツキノワグマ出没は全体的に少なかった。豊作年には栄養を蓄えたお母さんグマの妊娠率が高まると言われている。2010年は親子連れを見る機会が増えるかも知れない。 ところで、学習放獣などのために現場に行くと、一つの檻に親子(母子)が仲良く捕獲されていることがある。どちらか片方しか捕獲されていない場合は、人とクマの双方の安全上の問題があり、捕獲対応にものすごく神経を使う。しかし、同時捕獲の場合は作業量こそ多くはなるが、親子を一緒に放獣できるという安心感がある。 …
No.86 タイワンザルには台湾が似合う
白井 啓 台湾北部の森で、野生タイワンザルの群れを見た。 タイワンザルには台湾の森が似合うと思った。 同時に、ここにニホンザルがいても似合わないだろうな・・・とも思った。 20100112_22.JPG
No.85 笑うシカ
加藤 洋 自動撮影カメラで撮影した一枚。もう、笑うしかない。 20091215_2009.12.15.JPG
No.84 ダニジカ
清野 紘典 7月S県。 林道を車で走っているとまったく逃げないシカがいた。 遠目にもやせ細っている姿が痛ましい。 双眼鏡を覗くと顔や耳に付着したダニの多さに驚いた。 輝く眼光とは対照的に死にゆく者がもつ気配に、野生で生きることの厳しさをあらためて感じた。 20091127_2009.11.jpg
No.83 帰り道
山田 雄作 先日、南アルプスでの調査の帰りに出会った1枚。 本格的な冬はまだきていないものの、山の上はかなり寒く、 楽ではない調査でした。 このご褒美の出会いで、疲れがなくなりました。 20091117_2009.11.17.JPG
No.82 「ハートのヌタ場」
本多 響子 ヌタ場はシカやイノシシが泥浴びをしたり体をこすり付けたりする場所ですが、山の中でハート型のヌタ場を見つけました! 仲良く2頭でゴロゴロしていたのでしょうか・・・ 20091102_2009.11.2.jpg