研究員によるフォトブログ

NO.124 決死の脱出

2010年09月01日

岸本 真弓
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  檻を用いた捕獲では、錯誤捕獲が避けられない。餌の工夫や、トリガーの調節でなんとか低減を目指すが、それでもやっぱり目的外の種が捕獲されしまうことがある。その際には速やかに放獣してあげなくてはならない。
 アライグマ用の捕獲檻にイタチが捕まっているのが遠目に見えた。たぶん捕獲直後は大暴れだったのだろうが、力つきたか、小休止か、静かにしていた。放獣してあげようと檻に近づくと、逃げようと俄然必死になりだした。何度も試みたはずだろうが、もっとも大きな目から、抜けだそうと体を突き出した。「えーっ 無理だよ。今扉あけるから」と叫びながらさらに檻に近づくと、イタチが動かなくなった。「ほらあ、無理しないでよ。抜けなくなったらどうするの!」と見ると、すでに抜けなくなっている様子。ペンチで檻を切るかと頭を巡らせながらも、一寸冷静になって錯誤捕獲の証拠写真がいることを思い出し、急ぎ写真を1枚撮る。
 その直後、しばしの休憩で力を充電したのか、イタチは檻の目からすり抜けて去っていった。生きる執念はすごい。

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