No.75 「サクラサク調査」
2009年07月09日
本多 響子
今年の春も様々な調査地に行きました。どこに行っても桜の花が見事に咲いているので、調査で遠出する楽しみの一つとなります。様々な場所で満開の桜の花を見ましたのでご紹介いたします。
淡いピンク色のソメイヨシノ(左下:京都福知山にて4月上旬撮影)
白色のオオシマザクラ(左上:伊豆大島にて3月上旬撮影)
少し濃いピンク色のカワヅザクラ(右上:伊豆半島にて2月下旬撮影)
右下の写真は丹沢で2月上旬に撮影したサクラの仲間です。
寒空の下咲いていた桜に感動しました。
さて、何ザクラでしょうか?
花や葉は他のサクラに比べるととても小さい「マメザクラ」です。
マメザクラは日本の地殻変動の歴史の中で生まれた種です。
日本列島中央部をほぼ南北に走るフォッサマグナ(地溝帯)によって、中部日本の古い植物相は北関東と南アルプス以西とに分かれていました。さらに、その後の富士火山帯の火山活動によって、多数の新種が出現しました。その一種がマメザクラ(別名フジザクラ)であり、このような起源の植物をフォッサマグナ要素の植物と言います。分布域は、富士山や箱根を中心とする山地に多く、八ヶ岳周辺、伊豆半島、神奈川県西部の山地、三浦半島、房総半島です。
他には、ハコネコメツツジ、ハコネギク、フジアザミなどがあります。
可憐な姿で日本の歴史を教えてくれたマメザクラでした。
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