研究員によるフォトブログ

No.274 ツバメの住宅情報に朗報

2017年07月06日

姜 兆文

本ブログNo.141で、南アルプスの芦安集落のバスターミナルでツバメの家族(写真1)と出会ったこと、その後巣が撤去され、数年間同じ場所での巣の確認ができなくなり、本ブログNo.215で、ツバメの「住宅難」を記事にした。
生活スタイルの変化により、軒下のある伝統的な日本家屋が減り、軒下でのツバメの巣作りの適地は少なくなっている。また、折角、巣を作ったのにツバメの糞害を危惧して撤去されたケースも多かった。
このようなツバメの巣作りにとって厳しい環境の中、東北自動車道の佐野PAでツバメの巣作りを手助けしようと工夫しているのを目にした。PAのトイレを利用した時、入口前の柱のそばに「頭上注意」の看板(写真2)があることに気付いた。看板の真上を見ると、ツバメの糞の落下による利用者への迷惑防止につなげようと巣の下に糞受け板が設置されているのが(写真3)確認された。糞受け板は、ちり取りのような形状で、可愛らしいツバメのイラストが描かれていた。
このような地道な努力によってツバメの住む環境が確保されれば、人間とツバメが共存することができ、ツバメの個体数が回復され、生物の多様性と健全な生態系を守ることにつながると思う。
ツバメのヒナが無事に巣立つことを祈っている。

写真1.芦安集落のツバメヒナ

写真2.注意看板

写真3.糞害防止の糞受け板

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