研究員によるフォトブログ

No.347 相手の気持ちになって考える

2020年01月08日

海老原寛

個人で農作物被害対策を進める際に、対策をしているのにやられてしまうという方はたくさんいらっしゃると思います。同様に、捕獲しようとしているけどなかなか捕れないという方もいらっしゃるかと思います。そこにはいろいろな原因があり、その対象動物に対する知識があるかないかという点は大きいと思います。例えば、シカは2mくらいの柵なら越えてしまうとか、イノシシはとても臆病なので檻にはなかなか入らないよとか。知識を増やすことは、効果的な対策につながると思います。
でも、私が思うに、知識があるかよりも大事なのは想像を膨らませることだと思います。ただ教えられたことをやるだけではなく、現状を俯瞰してみたり、動物側の気持ちになってみるということが、効果的な対策の近道になるかと思います。
例えば、あなたがシカを捕獲しようとして、写真のような状況で檻を設置しました。研修会では、シカは臆病ですぐには檻には入らないと教えられたので、入口付近と奥にヌカを撒きました。研修会で教えられたことをしっかり守ったので、これでシカが捕れるはずです。

では、この状態で本当に捕獲が成功すると思いますか?自分がシカなら、檻の中の餌を食べますか?
動物の気持ちを人間と同様に考えることが良くない場合も確かにあります。でも、そのような観点で一度考えてみることは、新たな発見につながると思うのです。もし私がシカなら、危険を冒して檻の中のヌカを食べずに、檻の後ろに捨ててある野菜くずを食べたいですね。ということは、シカを捕獲できる可能性を上げるには・・・。

 

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