No.391 植物は生き物だ~死がふたりを分かつまで~
2021年09月08日
岸本真弓
傷つき体を沿わしたのはブナの方。
ブナの傷は風に煽られたヒメシャラによるものなのかもしれないけれど、傷を癒しやすようにヒメシャラは滑らかな肌を貸している。そして今はそれぞれの未来にむかって生きている。しっかり支え合いながら。
ブナはいつ、どのくらいの樹齢の時に傷ついたのか。ヒメシャラはいつからブナを見守っていたのだろう。成長速度に差はあるかもしれないが、植物のタイムスケールならば、幼なじみといえるのではないだろうか。ほぼ同じ背丈に育ったブナとヒメシャラ。死がふたりを分かつまで、共に生きる。
No.392 サル研修 | 一覧に戻る | No.390 小さな箱庭 |