No.482 親子グマがひと冬過ごした樹洞
中島彩季
前年度に装着したGPS首輪のデータを頼りに、有志で休日にクマの冬眠穴探しに行ってきました。
冬の間に測位データが集中していた場所を手分けして歩き回っていると、谷の中に樹洞のある大木(写真赤丸)を発見。
とても怪しい………
近づいてみると、谷の中のちょっとした平坦地にその大木が生えていました。
サイズ感がいい感じです。どんどん胸の高まりが大きくなっていきます。
樹洞の中は成人男性でもすっぽり入ることのできるサイズでした。
入り口には古いクマ糞が落ちており、樹洞の内部にはクマの体毛や、GPS首輪に巻いたものと同色のビニールテープの欠片も落ちていました。(※ビニールテープの欠片は回収しました)
これだけ証拠が揃っていれば自信を持って冬眠穴だと言えるでしょう。
………冬眠穴、発見です!!!

写真3 冬眠穴内部の様子。ここでクマが冬眠していたと思うと感動です。
外から眺めてみたり、冬眠穴のなかに座ってクマの気持ちになってみたり。
それぞれ思い思いに冬眠穴を満足いくまで楽しみました。
首輪を付けた個体は0歳の子連れだったので、親子でこの樹洞で冬を越したと思われます。
落ちていたクマ糞は少し小さめで、子グマのものだと推測されました。
冬の間、子グマは母グマにくっついて甘えて過ごしていたのでしょうか。
親子でどんな風に冬を過ごしていたのか、想像が膨らみます。
GPSデータから冬眠した場所を大まかに知ることはできますが、具体的な環境だったり、冬眠穴内部の様子だったりは、現場に行かないと分かりません。
そして、そこに確かにいたクマに想いを馳せることができるのも、現場に行ってこその醍醐味です。
今回はたった一例ですが、クマがどんな場所で冬眠をするのか知ることができ、また少し、クマのことを知ることができました。
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