研究員によるフォトブログ

No.376 雨と雪のさかいめ

2021年03月05日

岸本真弓

昨冬は大寒を迎えても暖かった。金沢で伝統行事となっている、江戸時代に加賀藩が将軍家に献上する雪を「氷室」と呼ばれる小屋に仕込む習わし「氷室の仕込み」も、雪がなく仕込めなかったらしい。

朝、サルの調査で泊まっていた琵琶湖畔の宿を出ると、眼前の比良山系がツートンカラーに色分けられていた。前夜、しとしと降っていた雨は一定の高さ以上では雪だったようだ。例年ならば琵琶湖までが白く埋められるのに標高の力が必要だったのだな。雪や寒さが必要な生物たちはたくさんいるだろうに、皆、高標高に行けただろうか。厭うものたちに追い詰められていないだろうか。

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