No.289 天然のボトルガーデン
2017年12月25日
岸本真弓
9月、広葉樹の隙間から差し込む透き通った日差しが丁度あたるところに、瓶はあった。
汚れのない緑が美しい。中を覗くと苔も同居しているようだ。天然のボトルガーデン。どうやって入り込んだのかわからないが、やがて成長してボトルから飛び出していくだろう。こんな小さな世界におさまるはずがない。
ボトルガーデン、テラリウムは、実は世間で流行っているらしい。確かに美しい植物を育てるのは楽しいし、くつろいだ環境で間近に見るのは心癒やされると思う。しかし、やっぱり自然はもっとでっかいのである。汚れたって、ちぎれたっていいんだ。手を出せ、足を出せ、のびのび生きろ、そう思う。
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