研究員によるフォトブログ

No.365 タヌキ、幸せ?

2020年09月01日

岸本真弓

春、今年もシカ調査で山を歩く。
いつものとおり、たくさんのタメ糞に出会う。
今年も元気にこの地にタヌキがいるのだなと思わず笑みがこぼれるが、近づくと知らずに眉間に皺がよっていく。
ドッグフードで生活している犬のような糞だ。犬にタメ糞が乗っ取られたのではない。タヌキがそういう糞をしているのだ。中身はヌカ。イノシシの捕獲のために撒かれた餌を食べているのに違いない。
トリガーに触れて、扉に挟まれ絶命するタヌキもいると聞く。そういう直接的な危険性よりも、集落近くに設置された箱罠に誘引されるタヌキという種の、明るく思えない未来を憂う。大丈夫か、タヌキ。それで幸せか?

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