2010年4月記事一覧
NO.88 春の谷川
2010年04月27日
岸本 真弓 は〜るの小川はさらさらゆくよ〜♪ ラジオから小学校唱歌「春の小川」が流れ、やはり胸の奥がチクリとした。転校してまもない3年生の春、なじめない学校で初めてならった曲。教室から離れた最上階にあった音楽室から1.5kmの田んぼを越えて自分家が見えた。帰りたいと家を見ながらこの曲を歌った。あれからもう40年近く経つのにやはりこの曲はトラウマだ。 そんなことを考えながら調査地入り。ひとりイノシシの痕跡を探しながら一山越えて降りてきたところには、陽光を浴びて水しぶききらめく谷川が。こ…
NO.87 親子の紋章
2010年04月21日
片山 敦司 2009年の秋はドングリが豊作で、関西圏でのツキノワグマ出没は全体的に少なかった。豊作年には栄養を蓄えたお母さんグマの妊娠率が高まると言われている。2010年は親子連れを見る機会が増えるかも知れない。 ところで、学習放獣などのために現場に行くと、一つの檻に親子(母子)が仲良く捕獲されていることがある。どちらか片方しか捕獲されていない場合は、人とクマの双方の安全上の問題があり、捕獲対応にものすごく神経を使う。しかし、同時捕獲の場合は作業量こそ多くはなるが、親子を一緒に放獣できるという安心感がある。 …