2018年11月記事一覧
No.313 龍か和邇か、いえ烏です。
2018年11月26日
岸本真弓 1年前、山の中で見つけた。特徴的な樹皮だったので、すぐわかるかと思ったが、調べても調べてもわからなかった。 今年再び同じところを訪れた。雨だった昨年は空に続く幹や開く若芽をみることができなかったが、今年はできた。 和邇のようにも龍のようにも見えるこの体幹。正体は烏、カラスザンショウでした。 老木なのか、別の理由があるのか、図鑑通りのものばかりでない植物には困らせられる。惹きつけられる。 写真1 写真2 写真3
No.312 山と里を隔てるもの
2018年11月18日
海田明裕 その日の調査も終盤、そろそろ集落の気配がする山の裾。 急に腰丈ほどの古いけれども形の残っている石垣が現れた。 山裾に沿ってかなりの距離で続いている様子。 無理に乗り越えず通り易そうなところを探すうち、急に石垣が途切れた。 ちょうどその切れ目のところ(写真1中央)に ポッカリと、これまた崩れのないきれいなまんまるの石組みの穴が空いていた。 直径は1mあるかないか、深さは4メートルほどか。 手の使えない動物であれば容易には這い上がれない。 私の推測だがイノシシなどを追…
NO.311 弱り目に祟り目
2018年11月07日
岸本真弓 2017年、秋の初めに大風が吹いた。 いつも歩く山の尾根もたくさんの枝が落ち、様相が例年とは異なった。 植林地では、一部に黄色を刺したみずみずしい緑のヒノキの葉が、深く濃い緑の葉をつけたスギの枝が無数に地面を埋めていた。 写真1 落葉広葉樹林では、幹の折れた若木が目立った。ようく見ると、折れ曲がった側の樹皮がない。 シカに食べられているのだ。 全周を剥がれてはいなくて、まだ水や養分が葉先と根を往来していただろうに。 強風に耐えられず倒れたのだろう。 シカに手折られ…