2020年1月記事一覧
No.349 鹿の一声
2020年01月28日
海老原寛 野生動物を相手にすると、基本的には「待ち」が多い。サルの群れの個体数調査も「待ち」である。見通しの良い道路などを群れが渡るのを先読みし、ひたすら待つ。長い間待って、狙った場所にサルが見え始めたときは、妙にウズウズしてしまう。 ある群れを追跡していた時、翌日の朝に渡りそうな道路付近で群れが泊まった。次の日は早起きし、日の出前から待機した。2時間ほど待って、やっとサルたちが法面に見え始めた。時間が経つごとに、どんどん数も増えてくる。 「そろそろ渡り始めるぞ!」とドキドキウズウズしながら待っていると、突然「ピャ…
No.348 ピッタリ!
2020年01月20日
海田明裕 調査中、落ちている枝が目に入った。 少し変わった形の枝の端。 おそらく枝の分岐の部分からきれいに剥がれ落ちたものだと思われる。 すぐ目の前の低木がなんとなくちょうどいいサイズに感じた。 わずかな抵抗のあとにピッタリとはまった。 手を離してみる。 落ちない!だからなんだ? でも妙にうれしい瞬間でした。
No.347 相手の気持ちになって考える
2020年01月08日
海老原寛 個人で農作物被害対策を進める際に、対策をしているのにやられてしまうという方はたくさんいらっしゃると思います。同様に、捕獲しようとしているけどなかなか捕れないという方もいらっしゃるかと思います。そこにはいろいろな原因があり、その対象動物に対する知識があるかないかという点は大きいと思います。例えば、シカは2mくらいの柵なら越えてしまうとか、イノシシはとても臆病なので檻にはなかなか入らないよとか。知識を増やすことは、効果的な対策につながると思います。 でも、私が思うに、知識があるかよりも大事なのは想像を膨らませ…