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研究員によるフォトブログ

No.181 タヌキの不可解な行動

2013年05月02日

佐伯 真美
小雪舞い降りる冬の日に、山中で奇妙な光景に出くわした。
山の稜線部の広場に1頭のタヌキがいた。
タヌキは直径3m程度の弧を描くようにクルクルと走っていた。このタヌキ、3分程度回り続けた後、ピタッと止まり息を荒げながらボーっとしていた。しばらくすると我に返ったように、再び直径3m程度の範囲を走り始め、回る、止まる、回る、止まるを繰り返していた。
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このタヌキの動画を関西分室の岸本真弓獣医師に見てもらったところ、直ぐに返信をもらえた。このタヌキ、どうやら病気のようだ。見た目、首もまがっており斜頸と思われ、可能性の高い病気としては突発性前庭疾患が考えられるとのこと。犬では中年~老齢の時期に起こる2番目に多い急性の前庭異常で、この病気になると、平衡感覚や体のバランスを保つことが出来なくなるほか、様々な脳神経異常を起こす。飼い犬であれば、自然に治るまで手厚く介護され、復活するようだが・・。この症状から脱出しようとハイスピードで走るが、それでは食べることも出来ないので体力もなくなる。しかし野生のタヌキではどうしようもないとのこと。
タヌキは最終的に私に気が付き、森の中へ走り去っていった。まだ丸々とした体格で、毛並みも良かったので、何とか回復してくれることを祈るばかりである。

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