No.58 三角点探訪<その7>剣山
2008年10月17日
岸本 真弓
徳島県那賀郡那賀町字鎗戸50番地
一等三角点「剣山」(1,954.65 m)2008年9月22日晴れ
シカの調査で徳島県の最高峰、剣山を訪れている。二度目の来訪時、頂上に登った。そこに鎮座まします一等三角点「剣山」があった(写真1)。こんなにりっぱに奉られた三角点を見たのは初めてだ。
一等三角点「剣山」には歴史がある。昭和の時代、剣山を愛し、剣山の良さを伝えたいという人たちのご尽力によって、登山客が増えた。その結果、頂上付近を覆い尽くしていたササ原が裸地化して、土砂が流出するようになった。1972年の国土地理院の調査では、それまで1,955mとされた標高が保たれなくなってきているとわかった。それを憂いた剣山頂上ヒュッテ初代主新居熊太さんの呼びかけにより地域の人が30cm盛り土をしたという。そしてその後登山客による土壌流出を防ぐために、木道を整備し、ササ原が保護されるに至った。そうやって守られてきた一等三角点「剣山」だからこそ、今の姿があるのだろう。
シカ調査のための荷揚げと夜更かしによって体はきつい。しかし、夜明けの空気の清涼さ、はるか連なる山々の清々しさ、残された大樹の瑞々しさは、疲れを忘れさせ、楽しくなってくる。今度は休暇で来たいと思った初めての山である。
参考資料:「剣山物語」剣山頂上ヒュッテ(2005)
20081017_zakki58.png
No.59 あるメスジカによる… | 一覧に戻る | No.57 ぶらさがり健康グマ |