NO.103 ロードキル
2010年06月21日
加藤 洋
サルが道路を渡る。カウントチャンス(個体数調査)の瞬間である。サルも道を渡るのに命がけだ。この日はF県を走る国道を渡った。朝8時、通勤ラッシュ真っ直中である。次々に道路に飛び出すサルたち。
まだ道路を渡ることに慣れていないのだろうか、案の定、コザルが車と接触してしまった。このコドモは後続車に再び跳ね飛ばされながらも、何とか立ち上がって走り去った。鼻血を流していたこともあり、このコドモのその後の安否は不明であるが、頭部を車に強打したのを目撃したため「即死かな・・・」と見込んでいた私はその生命力に少々驚いた。
生息地を道路によって分断された野生動物たち。命を落とすリスクがあっても、道を渡らなくてはならない。このようなロードキルによって、日々「淘汰」されている動物は少なくはないのかもしれない。我々の感知し得ない水面下で、ロードキルはどの程度野生動物に影響しているのだろうか、興味があるところだ。
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