No.316 ご馳走の穴
2018年12月28日
海田 明裕
雪の林道を歩いていると
少し先をネズミ(ヤチネズミ?)が横切ってすぐに姿が消えた。
ちょうどそのあたりの一点に妙に中型哺乳類の足跡が
集中しているのが目に入った。
足跡の主はタヌキとテン、とネズミ。
小さな段差を覗き込むが雪とのコントラストが強すぎて
暗い窪みの奥はよく見えない。
手を突っ込んでみる。
直径が指三本ほどの穴が空いていた。
入り口にはネズミ糞もしてあった。
食べ物をさがしてウロウロ林道を歩く
「ンッ!ご馳走の香り!」匂いに気づいてか、
元を辿って穴に誘われて鼻を突っ込む姿を想像する。
ふと気づく。
もう一本、ヒトの足跡が追加された。
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