研究員によるフォトブログ

No.448 山の砂利沢に魚を発見!

2024年03月11日

姜 兆文

春に尾瀬ヶ原の湿原を囲む山を踏査したとき、森の中の乾いた砂利沢の真ん中に一匹のイワナを見つけ、驚いた。
私はなぜそこにイワナがいるのかを想像してみた。奇跡のように天から降ってきたのかもしれない(笑)が、それよりも、水位が急上昇したときに新天地を開拓するために上流に向かって泳いできたところ、水位が急降下して取り残された可能性の方が高い。
尾瀬湿原は水位が急激に変化するため、新しいエリアを探検しようとする魚は、取り残されないように注意しなければならない。
イワナに近づいて冷静に見ると、最期に懸命に水に口をつけた様子が想像できた。なぜなら、身動きが取れなくなった場所がまだ湿った土のままの場所だったからだ。そして、最期の最期まで水を求めて必死だった気持ちが理解できた。ひとつの命が失われたことを悲しみながら、私は合掌し、静かにその場を後にした。

 

写真1.平坦な沢環境で魚を発見

写真2.発見したイワナ

写真3.最期に潤う土壌に口を付けている

 

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