No.271 軋轢の先
2017年05月31日
宇野浩史
電波を追ってサル群れを探している最中、ある集落内の路地を曲がると同時に、数頭のサルが目に入った。
「居たっ!」という喜びが沸き立ったが、周囲の光景を見て、一瞬にして残念な気持ちになった。
サルたちの手には大粒のミカン。そして足元には大量の残骸が散らばっていた(写真)。
遠くでは爆竹の音が鳴っているが、サルたちは微動だにしない。私の車が数メートルのところまで近づいても、大きく逃げることはなかった。
このようになってしまった群れを所謂『良い』群れに戻すことは簡単ではない。
集落に住む人々とサルたちの将来像を想い、しばし考え込んでしまった。
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