No.134 氷柱の歯(行く手を阻むもの3)
2011年02月04日
岸本 真弓
冬季は閉鎖されている四国剣山スーパー林道に許可を得てシカ調査にでかけた。標高があがるにつれ寒さが冷たさに、痛さに変わっていく。1,550mで剣山トンネルに到達。車のライトに照らされた内部には氷柱が牙をむいていた(写真上)。ゆるゆる車を進めるが、最大の難所では、路面にも氷の丘ができ、何かの刺激で無数のナイフが振ってきそうだった。
帰る日、テレメ個体を探してもう一度トンネルまで行った。残念ながらトンネル手前では受信できなかった。トンネルを越えたかった。氷柱は歯から格子へと形を変えていた(写真下)。歩いてトンネルの向こうへ行こうと準備をしていたら、突然轟音がして、氷柱の一部が床に落ち砕け散った。
もちろん、トンネル突破は諦めた。
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