No.64 サルの鯱
2009年04月08日
清野 紘典
12月、霜が降りた早朝、車通りの多い国道を走っていると鯱(しゃちほこ)のある家をみつけた。
遠目で丸い形をしている珍しい鯱だと思い、双眼鏡を覗くと・・・それはサルだった。
見事に屋根の両端で対面座した2頭のサル。暁の空のもと瓦に鎮座している。
こちらが近づくと鯱たちはからからと瓦を鳴らして足早に逃げ去っていった。
地元の方々にとって、この鯱たちは生活被害以外の何ものでもない。
瓦が落ちる、ベランダに糞尿が、屋根がうるさくて寝られない・・・。
町の風景に不似合いな鯱の姿は、今一度人と野生動物の関係を考えるシンボルになるだろうか。
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