研究員によるフォトブログ

No.240 針の穴を通す

2016年05月13日

岸本 真弓
錯誤捕獲されたクマに麻酔をかけ、檻から出して山に返す。移送放獣という。ハコワナの場合普通は吹き矢を使うが、捕獲檻が脆弱で壊されそうというお話なので、少し遠方から麻酔銃で麻酔をかけることになった。1射目、ちょっと失速し手前の何かに当たりクマに到達せず。その後無事命中し、クマはやがて一時的な眠りについた。
 動かなくなったことを確認して、近づくと最初の矢がものの見事にハコワナの針金に刺さっているのがわかった。こんなところに当たる確率は、10cm×7cm格子の3mm径ワイヤーメッシュなら、102/7000(約1/70)の確率。底の抜けたバケツをくぐり抜けようとしたのに、針の穴を通すようなことが起きるのである。
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写真上:捕獲檻は○内。手前のオレンジベストの方は護衛の猟友会員の方
写真下:右上の黒い姿が眠ったクマ

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