研究員によるフォトブログ

2010年6月記事一覧

NO.106 サルとシカ合戦(桑の実編)

2010年06月30日

佐伯 真美  神奈川県の丹沢地域でサルを観察中に奇妙な光景を見た。サルは桑の樹上で桑の実を美味しそうに食べていた。ふと木の下を見るとシカ5頭が地面の何かを必死で食べている。  あたりはかなり広いのにシカは所狭しと桑の木の下に集まっていた。時折、喧嘩をしながら食べている。  こ・・これはまさか!?サルが落とした桑の実を食べていたのではないだろうか!?屋久島ではサルが落としたおこぼれをシカが食べるという話を聞いたことがあるが、まさか丹沢でも!?もちろんサルはシカのために落としてあげているのではなく食べる際にボロボロ食い…

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NO.105 美しき隣人

2010年06月25日

川村 輝  4月末、調査で訪れたO町で調査終了後少し時間があったのでコウモリの生息場所に立ち寄ってみた。 そこはコンクリートで囲まれたトーチカ*1となっており夏場繁殖に使われることが多い。覗いてみると羽音とともに数頭がトーチカから飛び出してきた。  中には20~50頭ほどのキクガシラコウモリがいた。昼間だというのにほとんどの個体が覚醒して可聴音で鳴いている。気候が暖かく出産が近いのだろうか。トーチカに集まるのには少し早い気がする。  街中で見かけるアブラコウモリのようなヒナコウモリ科は後肢と前腕の爪で壁にしがみつく…

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NO.104 野生動物を集めないで

2010年06月23日

岸本 真弓  写真は観光名所のタヌキである。観光客か、あるいは観光客目当ての店員かが、イノシシやタヌキに餌を与えていた。  自然では集まることのない野生動物が餌付けによって集まってしまう。今も日本のどこかで流行しているタヌキの疥癬も、不自然に集められたタヌキ間でまたたくまに拡がってしまう。感染力の強いウイルス病などがひとたび発生すれば、集められた野生動物はひとたまりもないだろう。  餌付けは、野生動物の行動をゆがめ、健康を損ねるだけでなく、地域個体群の絶滅さえも引き起こす危険な行為なのだ。 20100623_edu…

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NO.103 ロードキル

2010年06月21日

加藤 洋  サルが道路を渡る。カウントチャンス(個体数調査)の瞬間である。サルも道を渡るのに命がけだ。この日はF県を走る国道を渡った。朝8時、通勤ラッシュ真っ直中である。次々に道路に飛び出すサルたち。  まだ道路を渡ることに慣れていないのだろうか、案の定、コザルが車と接触してしまった。このコドモは後続車に再び跳ね飛ばされながらも、何とか立ち上がって走り去った。鼻血を流していたこともあり、このコドモのその後の安否は不明であるが、頭部を車に強打したのを目撃したため「即死かな・・・」と見込んでいた私はその生命力に少々驚い…

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NO.102 見返り美人

2010年06月17日

山元 得江  黒い大きなお尻の持ち主は誰でしょう?(写真1)  放獣を待ちわびるメスのツキノワグマでした(写真2)。 犬座りならぬクマ座り姿勢で、「お尻ばっかり撮らないで顔も撮ってよ!」と言わんばかりに振り返ってます。右耳には、ダニというイヤリングをつけて(写真2の矢印)。 20100617_ajpg.jpg

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NO.101 カワウの落し物

2010年06月15日

金子 文大  先日、琵琶湖に突き出ているI半島に、カワウの営巣数調査に行ってきました。その日はまだ5月だというのにとても暑く、営巣地に近づくと、林の中は、強烈なカワウの糞の匂いでムッとしました。  強烈な匂いの中、上から降ってくるかもしれないカワウの糞に注意しながら、調査しているとふいにドサッと足元の枯葉の上に何かが降ってきました。じっと目を凝らしてみると、その正体はカワウが吐き出したであろうアユでした。アユなどの魚を食べてしまう「食害」や糞による営巣地周辺の樹木が枯れる「糞害」が、増えすぎたカワウによる主な被害と…

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NO.100 高さ214cm

2010年06月11日

岸本 真弓  鳥取の南東部の山。イノシシの調査だったのだが、やたらシカの痕跡が目立つ。それも樹皮食い。えらく高いところまで皮剝かれた木を発見。メジャーを当ててみると214cm。  シカの口が届くところまでの下枝や下草がなくなる高さをディアライン(ブラウジングライン)というが、その高さは大台ヶ原でおよそ160cm。高さ214cmの樹皮食いを私は初めて見た。どうしても欲しくて2本足で食べたか(フォトブログ No.17参照)、積雪で地面が上ったか。シカにとってはおいしさゆえか、厳しさゆえかわからないが、植物…

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NO.99 厳しい冬

2010年06月09日

加藤 洋 3月。ニホンジカの越冬地内を調査中、足元がおぼつかないオスジカに出会った。しかし、体力の限界か、流れに飲み込まれてしまった。  様々な野生動物にとって、冬期は餌資源が少なく、とても厳しい季節だ。越冬地にたどり着いた彼らも、春が訪れるまでギリギリの生活をしているのだろう。その後下流で水死体が見つかった。彼も春が待ち遠しかったに違いない。 20100609_kibisiifuyu.jpg

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NO.98 サル怒りのボルテージ(全身編)

2010年06月07日

清野 紘典 「サル怒りのボルテージ(顔編)」と見比べて下さい。 4)ともなると一般的な成人男性のほとんどは逃げ腰になります。 ※野外でサルに威嚇されても走って逃げないで下さい。ひっかかれたり、噛み付かれるため危険です。ゆっくり後ずさりしてその場を離れましょう。 20100607_b.jpg

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NO.97 サル怒りのボルテージ(顔編)

2010年06月04日

清野 紘典  写真は筆者に対して怒りを顕にしている1頭のサルの表情です。  どの表情がもっともサルの怒りを感じるでしょうか。 20100604_2010.6.4.jpg

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NO.96 虫の襲撃

2010年06月02日

山元 得江  車を林道脇に止めて調査を行い、車に戻ってきたときのことです。タイヤやエンジン近くのボンネットに何かがたくさん張り付いていました。1本のタイヤに最低でも20匹。ボンネットの上などにも約20匹。見えているだけで車1台に100匹はいました。カメムシに車が襲撃されているかのようです。  このまま車を走らせると確実に踏み潰してカメムシ臭に包まれてしまうので、木の枝を使ってカメムシを刺激しないようにそぉーと払いのけました。この作戦は成功し、カメムシを踏み潰さずに移動できました。  カメムシは寒くなると暖かい人家に…

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