NO.101 カワウの落し物
2010年06月15日
金子 文大
先日、琵琶湖に突き出ているI半島に、カワウの営巣数調査に行ってきました。その日はまだ5月だというのにとても暑く、営巣地に近づくと、林の中は、強烈なカワウの糞の匂いでムッとしました。
強烈な匂いの中、上から降ってくるかもしれないカワウの糞に注意しながら、調査しているとふいにドサッと足元の枯葉の上に何かが降ってきました。じっと目を凝らしてみると、その正体はカワウが吐き出したであろうアユでした。アユなどの魚を食べてしまう「食害」や糞による営巣地周辺の樹木が枯れる「糞害」が、増えすぎたカワウによる主な被害として報告されています。
カワウは、一時は生息数を減らし、1970年代にはだいぶ落ち込んでいたものの、1980年代に入ると徐々に生息地を拡大し、2000年における推定生息数は5~6万羽とも言われています。その結果、上記のような被害を全国で出しているのですが、カワウを含め、個体数の変動に伴う、被害問題はなかなか難しいものです。
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