研究員によるフォトブログ

2010年8月記事一覧

NO.123 初夏の実り

2010年08月30日

川村 輝  初夏の時期、クワは実りの時期を迎える。普段山いて下に降りてこないサルの群れもクワの実を求めてあちこちで畑近くに降りてくる。 お昼休みのささやかなデザート、季節の恵みを舌で実感する。この日のメニューはクワ杏仁。まぁ何のことはない。コンビニ杏仁豆腐に摘みたてのクワの実をたっぷり乗せるだけだ。  動物たちは良くも悪くも作物が一番おいしくなる時期をよく知っている。人間はスーパーに行けば季節を問わず野菜が並び、時折季節感を見失う。旬のものは栄養価も高く、美味しく、しかもありがたいことに安い。わざわざ高価なハウスも…

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NO.122 続・無防備な動物

2010年08月24日

加藤 洋  先程怒らせてしまったアナグマ。居心地が悪くなったのか、のそのそと移動を開始した。「邪魔しちゃったかな・・・」と反省しつつも、あまりに無防備なアナグマに対し、少し違和感を覚えた。後肢がややふらついている・・・。 あ、あぶない!!(続く) 20100824_d2.jpg

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NO.121 柵によるシカの惨死

2010年08月18日

姜 兆文  ニホンジカ(以下はシカとする)の白骨(頭が柵に絡まって死亡、写真1)、別のシカの白骨(角が柵に絡まって死亡、写真2)、最後にシカの死体(角が柵に絡まって死亡、皮はまだ新鮮で、肉の殆どは食べられていた、写真3)。これは私がシカの調査をするため、ある日、山に設置された柵沿いに歩いた時撮影した「シカ」の写真である。皆さんはこの写真を見たら何を考えるでしょうか。私は悲惨な世界だと思った。柵内植林の樹齢により、その柵は20年前に植林した時、幼樹を保護するため設置され、現在まったく防護機能がなくなったと思われる。 …

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NO.120 何かご用?

2010年08月16日

岸本 真弓  夕方、車道の脇でうつむいて熱心に落ち葉をかいているアナグマを見つけた。車を近づけると、アナグマはあっと言う間に地面に消えた。消えたあたりを歩きまわると穴があった。  この中に入ったに違いない。のぞき込んだり、ライトを照らしたりしてみると、主が顔をだした。 「何かご用?」というふうに。 20100816_nanikagoyoujpg.jpg

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NO.119 シシガミ様の御力か。

2010年08月11日

横山 典子  とある調査地に出かけたときのこと。  びっくりした。軽トラが森に帰ろうとしている。  日本は、温暖で湿潤な気候のおかげで、土壌中の微生物の活動もほどよく活発で、土壌が発達し、例え伐採をしてしまっても土壌に養分が蓄えられているため、すぐに草が生え、少しずつ木が生え、森になるスピードが速い。  一方で、生物多様性が最も高い熱帯雨林(正式には熱帯多雨林)は、意外にも土壌の発達が良くない。熱帯雨林は、分解者も非常に多く、また気温も高いので分解速度が非常に速く、落葉や腐植の層がほとんどない。また、養分は土壌に蓄…

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NO.118 宴のあと・・・

2010年08月09日

川村 輝  9月末、集落を抜けた峠道。サルの発信機の入力を追って車を走らせていると道路一面に植物の破片が広がっていた。 車を降りてみてみるとヌルデの虫えいが道路一面にバラバラと散らばっている。 残念ながら周辺にサルの姿は無く去った後のようだった。 ヌルデの虫えい※1は大きな金平糖のような形をしていて割ると中は空洞だ。ヌルデシロアブラムシによる虫えいでタンニンが含まれている。加熱乾燥させたものは五倍子(ごばいし)、付子(ふし)と呼ばれ薬用、染色に使われる。染めものでは空五倍子色(うつふしいろ)とよばれる灰色の染料とな…

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NO.117 燕岳-出会い-

2010年08月06日

山田 雄作  以前の調査雑記で燕岳の写真を紹介しました。今回は燕岳で遭遇した動物を紹介します。  感動的な出会いは目当てでもあったライチョウです。ライチョウは特別天然記念物として有名で、高山に行ったからといって簡単に出会える鳥ではありません。その生息地は高山帯に限られており、生息環境の変化や感染症などによる個体数の減少が懸念されています。この鳥は、苦労して高山へ登っている人達のマナーのおかげで(追い掛け回したりしないため)比較的近くで遭遇しても追い回したり近づき過ぎなければあまり逃げません。その生息数は減少傾向にあ…

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NO.116 無防備な動物

2010年08月04日

加藤 洋  ある日の野外調査中、路肩に変な生き物がいるのに気が付いた。アナグマだ。歩道でのんびり日向ぼっこしている。真横に立っても、毛繕いに夢中。・・・こちらに気付いていない。調子にのって頭をツンツンすると、流石に怒ってしまいました。ごめんなさい。 20100804_2010.8.4.jpg

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NO.115 棒を持ち歩くシカ!

2010年08月02日

姜 兆文  これは赤外線センサー付自動撮影カメラで撮影された、棒を持ち歩き、振り回すオスジカの写真です。カメラを11月に設置し、撤収した1月まで、写り撮り続けたのです。おそらく、角が自然に脱落する5月までそのままでいるのではないでしょうか。皆さんはこの写真を見たら何を考えるでしょうか。格好良い?かわいそう?苦しい?……。私は悲しいと思った。おそらく、シカの角に絡まったのは、各地に設置したシカの防除柵に使われた物の一部と考えられる。幸いこのシカは柵から切り離されて、脱出できたが、出来ない場合は、餓死しかないと思う。例…

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