研究員によるフォトブログ

No.232 天然盆栽

2015年11月17日

姜 兆文
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 9月末、尾瀬沼の周辺を散策した時、歩道の遠く前方に、太い枯れた切り株の上を彩る、華やかで盆栽のような色鮮やかな紅葉の藪を見つけた(写真1)。切株の上に古木のひこばえから成長した「老いた株の上の新芽」が、また長年に渡って蓄積されたほこりと落葉などを由来とする土壌で成長した植物だと思った。距離を縮めて見ると、老いた株の上にはびこる根を発見した(写真2)。株の幹に貼り付いている付着根を辿ってみると、つる性の茎は、地面に達していることが分かった(写真3)。そしてついに、この天然の盆栽の正体がダケカンバの切り株に這い上ったツタウルシの紅葉だったことが分かった。私は自然界の植物間の相互関係によって生み出された傑作に感動した。

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