No.246 負けるもんか
2016年06月14日
海老原 寛
全国でシカが増加し、植生の衰退が生じている。その現象の1つとして植物の矮性化があり、シカの影響評価の指標として用いられている。ある地域で見つけたイヌツゲは矮小化の程度が激しく、本当に小さな葉をつけていた。それだけシカの影響が大きいということが読み取れる。しかしそれは、シカを主役に物事を見てしまうからこその視点に他ならない。このイヌツゲは、どんなに繰り返し食べられてもどんなに矮小化されようとも、懸命に生きている。植物を主役にしてみると、生きる執念のようなものが感じられ、尊敬と共に応援をしたくなるのである。
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