研究員によるフォトブログ

No.2 三角点探訪「2001年秋徳島の巻」 <その2>

2002年06月14日

<その2>徳島県木頭村/上那賀町界3等三角点旭(源蔵のノ窪723.3m)
2001年11月1日曇り
20020614_zakki22
 
 那賀川を堰き止める小見野々ダムの上流約1.5km、海川谷川の流れ込む海川口橋のたもとより登り始める。小ピークである4等三角点本村(491m)を過ぎ、ただただ登って木頭村と上那賀町の町界の尾根にたどり着く。標高差50m、直線距離で500mほど行くと、私が「へのへのもへじピーク」と呼んだ源蔵ノ窪がある。地形図にいくつも示された小さな丸はピークなのか、それとも窪なのか。尾根とされるその辺りは幅100mから最大250mにも広がりを見せ、なんとも地図読み泣かせの地形が続く。源蔵ノ窪と呼ばれる場所がどこからどこまでか定かではないが、その表記のある真南に3等三角点旭(723.3m)がある(写真)。
 登り初めてから源蔵ノ窪、そしてその西にある古堂山、やがて降り着いた木頭村蔭井の集落までほとんどすべてが成熟した植林地である。樹冠は塞がり、辺りは暗い。そんな林内で地面からか、空からか低い呻きを聞いたような気がした。源蔵ノ窪から前方を見ると、枯れた木が点々と並び、あるものは倒れ、あるものはその時を待っていた。いつなのか、ずっと前に周囲ぐるりと斧を入れられた木が立っていた。生命線を絶たれた木はやがて倒れる(写真)。幼い植林木の成長と土、風、光の効果、そして人間の労力を考えたまさに知恵と呼ぶに相応しい施業とも言えるだろう。でも、私は確かに呻き声を聞いた気がした。
 1年ほど前からなんだか三角点に惹かれ、気まぐれに写真をとっていました。この 「2002年秋徳島の巻」は徳島県でのシカの糞塊密度調査(1日4~6km尾根上を歩き、 糞塊を探す)の時のことを思い出して書きました。

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