No.189 あやとり
2013年12月17日
岸本 真弓
鳥取の秋の山。
シカの糞を探してなので、下を向いて歩く。横からはりだす木々の枝も見ることはなく、手で払う。払えない大きなものでも体を進めればほどけるように横に流れていくことが多い。
シカの採食圧がそれなりにあったここでは、低木ブッシュとの格闘はなく、苦もなくスルスルと歩を進めていた。視界の上隅に入ってきた枝も手でよけた、、、つもりだったが、手が抜けなかった。
どこかを目指していたツルが途中で断念したのか、それとも前には何かを抱き、あるいは支えられていたのかもしれない。でも今は空をつかんでいる(写真左上)。まるで遮断機のように水平に伸びた枝(写真右下)は私の指をあやとり、歩みをとめさせた。行かないで、というように。
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