No. 213 カモシカの強い縄張り意識の証明?!
2015年02月10日
姜 兆文
1月、車で群馬県内の林道を入って暫く走ると、道路沿いにカモシカ1頭が現れた(写真1)。良いシャッターチャンスだと思って、車を停めた。しかし、いくら写真を撮っても、カモシカは全く移動しなかった。車から降りて、写真を撮りながら接近しても逃げなかった。5、6メートルまで接近すると眼下腺からの分泌物を木に塗って、マーキングをし始めた。2、3メートルまで近づくとカモシカは頭を上下に動かし、鋭い角を見せるように威嚇をし始めた。その後、ドキドキしながら、触れることが出来そうな0.5メートルまで接近した(写真2)。これ以上近づくと突進してきそうだと思って、諦めた。そして、徐々に離れ、車に戻って、カモシカを後にした。およそ30分後に戻った時、まさかと思ったが、カモシカは同じ場所に座っていた(写真3)。
いったい、カモシカが何を考えて上記の行動をとったのかを考え続けている。同じ種類の動物は自分の縄張りに侵入されることに強い抵抗を示すことは理解しているが、人間もカモシカの防衛対象になっているのだろうか。また、その後カモシカが座り続けていたのは、私がまた彼の縄張りに侵入するに違いないと予想されたのだろうか。なにしろ、これは、カモシカの縄張り意識の強さを証明した行動だと思う。
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