No.35 金髪碧眼
2006年08月02日
岸本 真弓
2年前のことなのだが,5月21日りっぱなメスザルが移動式の檻に入ってきてくれた.ちょうど生まれてまもないアカンボウが一緒だったが,有り難く発信機を付けさせていただいた.
アカンボウは麻酔で眠るお母さんにしがみついて離れない.そのままとりあえず作業を進め,一段落したところでアカンボウに目をやるとなんとも切ない目でこちらを見ていた.
虹彩がグレーだった.
そのためか憂いをおびているように見える.あまりにいとおしくそっとなぜてみた.泣き出すこともなく,顔をおかあさんに埋めた.そよかぜにゆれる毛が輝いて見えた.遠目にはお母さんよりはるかに黒っぽい色をしているのだが毛先が黄色い.お尻のあたりは全体的に金色だ.
金髪碧眼のアカンボウ.この子が特別なのか,それとも誕生直後はこうなのかわからない.1時間後,麻酔から醒めたお母さんはしっかりこの子を抱きしめて走り去った.
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