研究員によるフォトブログ

No.203 ナメクジの気持ちを知らない人間

2014年09月21日

姜 兆文
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今年繰り返し尾瀬沼でシカの調査を行った。ある日、調査を終了後山小屋に戻る途中、林内の木道上で、でっかいナメクジを見た(写真1)。写真を撮った後、このまま木道の上にいると、踏まれてしまうではないかと思い、枝でナメクジを木道から移動させようと軽く叩いた。動く様子がまったくないことが分かり、さらに強く触ってみた。しかし、ナメクジは木道にしっかり張り付いて、簡単に離すことが出来なかった。無理矢理動かそうとすると、ナメクジは縮んで、全身から真っ白い粘液を分泌し、必死で身を守るように見えた(写真2)。仕方がなく、ナメクジを木道の地面に落とした。
次の日、前日のナメクジから多少離れた場所で、人に踏まれてしまったナメクジを見た。前日のナメクジではないかなぁーと思った。私はナメクジが木道上にいると危険だと思い、離そうとしたが、ナメクジには通じなかったのだろう、残念だった。その後、新たな複数のナメクジを倒木と木道上に発見(写真3)。ナメクジにはナメクジなりの理由があって、まわりより高い木道上にいたいのかもしれないと思った。逆に私はナメクジの気持ちを知らずに、無理に動かすことはナメクジにとっては迷惑なのかもしれないと反省した。

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