No.252 赤も青も注意
2016年07月22日
岸本 真弓
これまでに3度出会った。同じところで。
日本海側中国地方のある県で、青いヤマカガシに出会う。初めて見つけた時はびっくりした。模様はヤマカガシだが、色があきらかに認識と異なった。持ち帰って一緒だった両生爬虫類に詳しい調査仲間に見せたところ、変異色だと教えられ、蛇の専門家にお譲りしようということになった。
初めての個体と2012年の2度目の個体(写真1)はDOR、車にひかれたぺちゃんこの個体だった。3度目は2014年10月、生きている個体(写真2)。動画の撮影にも成功した。
ヤマカガシは色の変異が大きいらしい。文献(鳥羽、2002)によると、青い色のヤマカガシは中国地方から近畿地方西部にかけて分布しているとのこと。さらにネットで調べると四国地方や九州にもいるらしい。ヤマカガシには毒があるが、青色の個体はよく見る赤と黒の市松模様の個体に比べて優しげに見えてしまう。ヤマカガシの毒は血液凝固作用を引き起こし、その作用があまりに強いため体中の凝固物質が消費されることになり、結果全身的に凝固物質が不足して体のあちこちで出血が起こり、最悪の場合死亡してしまうらしい(堺ら、2002)。日本では過去に3名の方が命を失った。
森林内では鳥を除き、水色を呈するものは多くない。足下の鮮やかな青には注意だ。
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