No.330 現地調達
2019年06月19日
岸本真弓
森林の中にいるのが好き。静かにたたずみ、あるいはお尻に根を生やして、自分がそこの空気にとけこみ、ヒフと空気の境界がなくなって溶け出すような、自然の一部として受け入れられるようなその感覚が好き。
ただ、仕事で山を歩くが、登ることが目的、大前提の山歩きは結構辛い。息がきれる。足腰が固まる。辛さは何に比例するのか。標高なのか、斜度なのか、スピードなのか。
国有林には、その境界を示す石柱が建てられている。赤く塗られた石柱の上面には十字が刻まれ、国有林側には林班を示すのか漢数字が掘られ、国有林でない側には「山」とある(写真1)。石柱をひとり何個持って歩くのだろう。
紀伊半島の高く険しい山を歩いていたら、珍しい石柱を見つけた(写真2、写真3)。赤く塗られていないが国有林の石柱のようだ。現地調達か?
写真1 こちら側は民有林。「山」とある。
写真2 漢数字が刻まれている。
写真3 上面に十字が見える。
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