研究員によるフォトブログ

No.138 椿のように落ちた桜

2011年04月28日

岸本 真弓
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  椿は花が落ちる様が、まるで斬首のようだとして昔の日本人(武士)は忌んでいたらしい。そんな話がなぜか中学の英語の教科書に載っていたことを思い出す。
 春、例年のように京都の山を歩いた際、まるで椿のように桜の花がまるごとポトポト落ちていた。初めて見た。鳥類の調査をしている人に聞いてみても「さて?」ということだった。
 それから数日後、4月10日の朝日新聞の夕刊の一面に回答が載った。スズメの仕業だというのだ。もともと桜の蜜を吸っていたメジロやヒヨドリの嘴は細く、花の正面からのアプローチが可能であるが、スズメは嘴が太いため、花を根元から折って裏側から吸うために、花を手折る、いや口折るらしい。
 このような現象は戦前から見られていたらしいが近年増加しており、それにはスズメの餌不足が原因しているらしい。

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